12月のフェスティブ・シーズンで業界は活況
NSW州政府は、飲食業界や娯楽業界の景気刺激策として、州民に合計100ドルのバウチャー制度を計画していたが、12月のフェスティブ・シーズンに入り、コロナウイルス社会規制も緩和されてきたことから、この2つの業界はすでに活気を取り戻し始めており、バウチャー制度は必要なしと判断された。
ABC放送(電子版)が伝えた。
また、「Dine and Discover」バウチャーと名付けられたこの制度開始は2021年1月まで延期されることになった。
このDine and Discoverバウチャー制度は、州内の18歳以上の住民一人あたり$25バウチャー合計4枚が与えられ、1回の飲食または娯楽入場の料金に1枚を使うことができる。換金はできず、1回の料金が$25に満たない場合も返金はない。また、商品購入には使えず、店内・場内での利用に限られるが、アルコール、タバコ、賭博にも使えない。
シドニー・ビジネス会議所は、「シドニー都心部の人出が増えている」と伝えており、また、クリスマスを控えた時期にどこも活気を取り戻していることから業界は州政府に対して、「現在はバウチャー制度開始の必要はない」と伝えている。
州政府のビクター・ドミネロ・カスタマー・サービス担当大臣は、「12月は業界にとっては忙しい時期にあたっており、業界は、客足が穏やかになる1月以降の方がバウチャー制度の効果が大きくなるから、その時期の制度運用を望んでいる」と語った。
ドミネロ大臣は、「2021年1月中旬頃にシドニー市内と郡部の1地域で試験実施することになる。50箇所ほどの事業所に参加を呼びかけている。このバウチャーで経済を刺激することになるが、経済はすでに順調で、景況感も上昇している。ウイルスも抑え込みに成功しているが、警戒心は薄れていない」と語っている。
会議所のキャサリン・オレーガン広報担当者は、「何週間か待ってから制度を開始した方が景気刺激効果が高まる」と語っている。
NSW州内では検査回数が下がっていることが懸念されており、また、南部海岸地域のベイトマンズ・ベイとシドニー都市圏南西部の汚水処理場で汚水からコロナウイルスの痕跡が検出されており、州保健局では「未検査の感染者がいる可能性もある」として警戒を強めている。
■ソース
NSW Government budget spending voucher scheme for residents delayed as business picks up in the festive season