NSW州コロナウイルス接触追跡班、感染経路調査

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ベルローズ・ホテルの陽性者3人のつながり依然不明

 現在、アバロン・クラスターでは、内陸部のパブ、ベルローズ・ホテルを仲介して3人の感染者が出ていることは明らかになっているが、アバロン・クラスターの誰がベルローズ・ホテルで他の者に感染させたのかがまた突き止められていない。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 コロナウイルス患者を治療する医療従事者の存在は知られていても、QRコードなどのデータで感染者が商業施設に立ち寄った日時を追跡し、同じ日時に同じ施設にいた人々を洗い出し、携帯電話に警報通知を送るなどの作業を行っている接触追跡班の存在はあまり知られていない。

 12月23日に同ホテルの20歳の従業員が検査を受けたが血清検査の結果、12月10日頃に感染していたことが突き止められた。ケリー・チャント州主席医務官は、「従業員は前日に仕事から帰宅し、眠ったが目を覚まして検温したところ微熱があった。翌朝に目が覚めた時には熱は消えていた。その後に検査を受けたところ陽性と判定されている。

 もう1人の陽性者は12月17日に同パブの酒屋に立ち寄ったが、陽性の従業員はその時には勤務しておらず、酒屋で働いたことがないことから両感染者は接触していない。また、12月17日に同パブに勤務しして従業員全員の検査も行われたが全員陰性だった。

 そのため、チャント主席医務官は、12月初めまで遡って同パブに立ち寄った者の中から陽性者を探した。その結果、クロウズ・ネスト地区の消防救助局消防士が12月11日に1時間半、パブにいたことが突き止められた。しかし、その時も20歳の従業員は勤務しておらず、つながりは途切れたままになっている。

 消防士が同パブで感染したのではないとしたらどこで感染したのかが謎のままに残り、チャント主席医務官は、「市中にまだ発見されていない感染連鎖があることになる。その結果、大晦日までにどこかで突然感染が広まることになりかねない」と警戒している。また、州政府、州保健局は、検査を受ける市民の数が減ってきていることも懸念している。

 NSW州消防士組合は、「感染消防士の周辺は消防署内もディープ・クリーニングし、また、接触があったと考えられる職員全員の検査でもすべて陰性の結果だった。同時に、消防署員は一線の重要な人材であり、常に出動できる体制でなければならず、厳しい対策を迫られている」と語っている。

 NSW州保健局では、12月にベルローズ・ホテルに立ち寄った者で12月中に症状を感じた者は検査を受け、陰性の判定が出るまで自己隔離してもらいたいと呼びかけている。
■ソース
NSW COVID-19 contact tracers work to find ‘missing link’ in mystery Belrose Hotel cases

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