コカインで有罪 オーストラリアの若き党首、政治家人生終了!

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罰金82万円と社会奉仕の判決

デービッド・スピアーズ元南オーストラリア州自由党党首(Photo: Wikipedia)

 違法薬物コカインを男性2名に使用させた罪で起訴された南オーストラリア州議会野党自由党の元党首、デービッド・スピアーズ被告(40歳)に対する裁判の判決公判が24日、アデレード地裁で行われた。同地裁は、被告に9,000豪ドル(約82万円)の罰金支払いと37時間30分の「コミュニティー・サービス」(社会奉仕)を命じる有罪判決を下した。オーストラリアでは、比較的少量の薬物使用の量刑は比較的軽いが、まだ若いスピアーズ氏の政治人生は完全に絶たれた。

 オーストラリアのメディア大手、ニューズ・コーポレーションのニュースサイトが報じている。これによると、スピアーズ氏は州自由党党首を務めていた昨年8月2日、海沿いのカフェでたまたま出会った男性2人(いずれも28歳)をアデレード南部の自宅に招き入れ、紙幣を巻いてストロー状にした物で、鼻からコカインの粉を吸引した。3人は1週間後にも被告の自宅で会い、コカインを使用した。

 スピアーズ氏はこの直後の8月8日に党首辞任を発表。自宅で白い粉を鼻から吸引している様子を写した動画が9月9日に明るみに出た後、バリ島に出国していた。警察は9月26日、帰国した被告を逮捕、起訴した。警察は自宅の家宅捜索を行い、コカインの残留物が入ったプラスチック袋や巻かれた20豪ドル札、残留物が付いたカード、大麻が入った手巻きタバコなどを押収していた。

 スピアーズ氏は当初、動画は「ディープフェイク」(人工知能=AIによる精巧な捏造)だと主張していたが、10月5日になって南オーストラリア州下院議員を辞職すると発表し、政界を引退していた。裁判では罪を認め、政治のストレスから逃げるためコカイン使用に走ったと弁解していた。

 同地裁は同氏の弁明について「まったく言い訳にならない」と述べた。被告はメディアの取材から逃げるように裁判所を足早に立ち去り、声明は発表しなかった。被告は控訴せず、判決は確定するという。

 スピアーズ氏は1984年スコットランド生まれ。2002年に家族とともにオーストラリアに移住。アデレード大法学部卒。市議などを経て14年に南オーストラリア州下院議員に初当選。与党時代に環境・水資源相を努めた後、22年から野党党首に就いていた。

■ソース

David James Speirs sentenced at Adelaide court for cocaine supply shame(news.com.au)

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