労働党は第1党維持も少数与党転落の可能性

オーストラリア連邦選挙が5月3日、全国の投票所で行われる。任期3年の下院の全議席と同6年の上院の約半数を改選する。選挙戦では、インフレや長引く高金利による物価高対策や、エネルギー問題、住宅難の解消などが主な争点となっている。
最新の世論調査によると、アンソニー・アルバニージー首相の与党労働党(中道左派)が下院で第1党を維持し、2期目の続投を果たす可能性が高まっている。一方、ピーター・ダットン代表(自由党党首)の率いる保守連合(自由党、国民党=中道右派)は支持を伸ばせず、逆転勝利は難しい情勢だ。
改選前の下院(定数151)では、労働党の議席数は77と過半数をわずか1議席上回っているに過ぎなかった。労働党が単独過半数を維持できるか、あるいは過半数に届かず「ハング・パーラメント」(少数与党、少数政権)となるかが、最大の焦点となる。
労働党が第1党を維持しつつ過半数を割れば、選挙後の政局の主導権を握ると見られるのが、左派の環境保護政党「グリーンズ」(緑の党)や、温室効果ガス削減策の強化や再エネ推進を主張する保守系無所属のグループ「ティール」などの少数勢力だ。
この場合、労働党は議会運営のキャスティングボートを握るこれらの勢力から閣外協力を得て、少数政権を樹立することになる。しかし、同党はこれらの勢力に手足を縛られ、政権基盤が弱体化するおそれがある。
■ソース
Half say Labor should go. But… (The Australian)