各党の勢力図はどうなる?

3日投票のオーストラリア連邦選挙は、アンソニー・アルバニージー首相が率いる与党労働党(中道左派)の勝利確定から1日経った4日、開票作業が続いた。公共放送ABC(電子版)の予測によると、4日午後8時時点(開票率77%)で当選が確実となった下院議席数は、労働党(中道左派)が85と改選前の77を上回り、最終的に90を超えるシナリオが視野に入ってきた(下記グラフ参照)。
最大野党・保守連合(自由党、国民党=中道右派)は、現時点で39にとどまり、改選前の53を大きく下回る公算が高い。18減らして下野した前回選挙に続き、地滑り的な敗北を喫した。
二大政党以外の少数勢力では、急進的な環境保護政策と掲げる左派「グリーンズ」(緑の党)が改選前4議席から2議席を失った。前回選挙で議席を伸ばした脱炭素に積極的な保守系無所属のグループ「ティール」は、改選前の10前後の勢力を維持する公算が高いと見られている。

なお、2001年以来保持してきた自身の選挙区で議席を落とした保守連合のピーター・ダットン代表(自由党党首)の後任には、副党首のスーザン・リー氏、「影の内閣」財務担当のアンガス・テイラー氏、元貿易相のダン・ティーアン氏らの名前が取り沙汰されている。リー氏が党首に昇進すれば、自由党史上初の女性党首となる。
一方、上院(定数76)では、今後も与党が過半数に満たないねじれ状態が続く見通しだ。現時点のABCの予測によると、改選議員と非改選議員を合計した各党の議席数は、労働党28、保守連合26、グリーンズ11、右派「ワンネーション」1、右派「オーストラリア統一党」(UAP)1、その他4、未確定5となっている。
■ソース