与党労働党、下院で92議席の当選確実に オーストラリア連邦選挙

SHARE

いまだに8議席が未確定

グラフ作成:©守屋太郎

 オーストラリア連邦選挙は、3日の開票から1週間を経た今も開票作業が続いている。公共放送ABC(電子版)によると、11日午後2時(開票率83.4%)までに、下院(定数150議席)の8議席で当選が確定していない。このうち、与党労働党(中道左派)が2つ、保守連合(自由党、国民党=中道右派)が4つ、急進左派「グリーンズ」(緑の党)が1つ、無所属が1つの選挙区で、それぞれリードしている。

 下院でこれまでに当選が確定した議席数(グラフ)は、与党労働党が92と改選前から15増。保守連合は40(13減)。グリーンズは0(4減)、無所属などのその他の勢力は10となっている。

 オーストラリアは「優先順位付連記投票制」(下院)と呼ばれる複雑な選挙制度を採用している。接戦選挙区では手作業で開票を繰り返すため、全議席が確定するまでに最長で数週間かかる場合がある。

グリーンズに法案通過の主導権

 一方、連邦上院(定数76)では、改選40議席のうち現時点(開票率75.7%)で35議席の当選が確定した。非改選議席を含めた各党の議席数は、労働党28、保守連合26、グリーンズ11、右派「ワンネーション」1、その他5となっている。

 上院ではどの党も過半数に満たない「ねじれ状態」が長年、常態化している。ただ、選挙の結果、労働党とグリーンズの合計議席数は現時点で39と過半数を1議席上回った。このため、与党法案に保守連合が反対した場合、グリーンズは単独でキャスティングボートを握ることができるようになった。同党は下院で惨敗したものの、上院での重要法案の採決でむしろ影響力を拡大する可能性がある。

 今回の選挙では、アンソニー・アルバニージー首相が率いる労働党が、ハングパーラメント(少数与党、少数政権)に転落するとの選挙戦前の予測を覆し、圧倒的な勝利を収めた。一方、保守連合のピーター・ダットン代表(自由党党首)、グリーンズのアダム・バント党首はいずれも自身の選挙区で敗北を喫した。2番手、3番手の政治勢力のトップがいずれも議席を失うという異例の展開となった。

■ソース

Australian Federal Election 2025 Live Results(ABC News)

SHARE
Google Adsense
[the_ad_placement id="single-new-bottom"]