民間パイロットや羊毛刈り 多彩な経歴持つベテラン議員

オーストラリア連邦野党・自由党(中道右派)は13日、スーザン・リー前副党首を党首に選出した。女性の自由党党首は史上初。3日投票の連邦選挙で議席を落としたピーター・ダットン前党首の後任。地すべり的敗北を喫した党の再生を図る。
自由党は国民党とともに最大野党「保守連合」を構成する。リー新党首は保守連合代表も兼務し、野党で最も首相の座に近い人物となった。
公共放送ABC(電子版)によると、自由党はこの日、キャンベラで両院議員総会を開いて党首選挙を実施した。党内穏健派の支持を背景に29票を獲得したリー氏が、25票の「影の内閣」財務担当のアンガス・テイラー氏を小差で破った。副党首には、同エネルギー担当で保守連合の原発解禁計画を主導したテッド・オブライエン氏を選出した。
ABCによると、リー氏は党首選後、「国民に寄り添った明確な政策方針を打ち出すために、党の議員の全員がそれぞれの才能を発揮できるようにしたい」と述べ、挙党一致で党の再建に尽力する姿勢を示した。
リー氏は1961年ナイジェリア生まれの63歳。英国人の両親を持ち、13歳の時にオーストラリア移住。チャールズ・スタート大で税と会計の修士号取得。民間航空機のパイロット、羊毛刈り職人、国税局職員などを経て、2001年連邦選挙でニューサウスウェールズ州南西部ファーラー選挙区から立候補して初当選した。
以来、今回の連邦選挙まで9期連続当選を果たしている。前保守連合政権で保健・スポーツ相として初入閣した後、高齢者ケア相、環境相などを歴任した。22年の選挙で下野後、副党首に就いていた。
■ソース
Sussan Ley becomes first woman to lead Liberal Party(ABC News)