最大規模の200万リットル、マレーシアから輸入

オーストラリアの航空最大手、カンタス航空はこのほど、シドニー空港会社、同国の石油流通・小売大手「アンポル」と共同で、持続可能な航空燃料(SAF=サフ)を約200万リットル輸入したと発表した。同国が輸入した商業用SAFの量としては、これまでで最大規模だと主張している。
マレーシアで精製されたSAFをアンポルがタンカーで輸送。シドニー南郊ボタニー湾にあるカーネルの石油基地に7日、搬入した。品質検査を経て、従来型のジェット燃料に18%の割合で混合してシドニー空港で給油する。
カンタスによると、今回の供給量はシドニーとニュージーランドのオークランドを結ぶボーイング737型機900便分に相当するという。1年間の乗用車800台分に匹敵する推定3,400トンの二酸化炭素排出量を削減できるとしている。
オーストラリアは、2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現を目指している。達成に向けて、カンタスはジェット燃料に占めるSAFの割合を30年までに10%、50年までに60%まで高める計画だ。シドニー空港会社も、50年までにジェット燃料全体のSAF比率を50%に引き上げる目標を掲げている。
カンタスはロンドン・ヒースロー空港でもすでにSAFを給油しており、ほかの海外の空港でも取り扱いを検討している。23年には4億豪ドル(約373億円)規模の気候変動対策基金「クライメット・ファンド」を設立し、SAF導入を含む脱炭素事業に投資。北東部クイーンズランド州やニュージーランドでのバイオ燃料施設建設計画を支援しているほか、気候変動対策のベンチャー・キャピタル・ファンドにも出資している。
カンタス・グループのバネッサ・ハドソン最高経営責任者(CEO)は声明で「私たちが目指す航空産業の脱炭素化や、オーストラリアの燃料安全保障の強化、新規雇用の増大に向けて、国内にSAF産業を創出することはきわめて重要だ」と述べた。
■ソース
AUSTRALIA’S LARGEST IMPORT OF SUSTAINABLE AVIATION FUEL LANDS IN SYDNEY(Qantas News Room)