オーストラリア4大銀行、住宅ローン金利引き下げ 中銀の利下げに追従

オーストラリアの4大銀行は20日、一斉に金利変動型住宅ローンの金利を引き下げると発表した。中央銀行の豪準備銀(RBA)が同日、政策金利を3.85%に引き下げたことに追従した。
住宅ローン金利の引き下げ幅は、いずれも政策金利と同じ一律0.25ポイント。施行日は、コモンウェルス銀とANZ銀、ナショナル・オーストラリア銀(NAB)の3行が5月30日、ウェストパック銀は6月3日を予定している。
持ち家率が高く、金利変動型住宅ローンが主流のオーストラリアでは、金利は毎月の家計のやり繰りに直接的な影響を与えるため、その動向はきわめて重要だ。利上げは手取りの減少に、利下げは手取りの増加に結びつく。オーストラリアの国内総生産(GDP)のおよそ半分に相当する個人消費に与える影響が大きいことから、個人の財布事情だけではなく、国の景気や経済成長に直結する。
公共放送ABC(電子版)によると、4大銀行が足並みを揃えて0.25ポイントの利下げに踏み切ったことで、30年払いの借り入れ額75万豪ドル(約7,000万円)の平均的な住宅ローン債務者の場合、返済額の負担は平均で1カ月当たり約120豪ドル(約1万1,000円)、年間1,440豪ドル(約13万3,000円)減少するという(個々の住宅ローン契約による)。
生活コスト高騰にあえぐオーストラリアの生活者にとっては、家計を助ける朗報となった。ただ、預金金利も下落するため、利子収入で生活している人は、その分の手取りが目減りすることになる。
■ソース
CBA announces interest rate reductions(Commonwealth Bank of Australia)
Australia’s Big Four banks react to RBA’s decision to cut interest rates(ABC News)