カンタス航空、老舗百貨店デービッド・ジョーンズと提携

オーストラリアでは、航空大手による小売業界の囲い込み合戦が激しさを増している。航空最大手のカンタス航空はこのほど、マイレージ・プログラム「カンタス・フリークエント・フライヤーズ」で、老舗百貨店「デービッド・ジョーンズ」と提携したと発表した。年内にサービスを開始する予定だ。
カンタス会員がデービッド・ジョーンズで買い物をすると、カンタスのポイントを貯めることができるようになる。デービッド・ジョーンズのポイント・プログラムの会員は、同時にダブルでポイントを獲得できる形となる。
カンタスのプログラムは1987年にスタート。現在では1,700万人以上の会員を抱え、同様のサービスとしては国内最大級とされる。会員が金融、小売、保険、ヘルスケアなどの商品・サービスを利用して地上で獲得するカンタス・ポイントは、全体の3分の2に達しており、単なる航空会社のマイレージ・サービスの域を超えて巨大化している。
また、カンタス・フリークエント・フライヤーズに連動してポイントが貯まるクレジット・カードの支出額は、オーストラリア国内のクレカ支出額全体の35%を占めるまで普及している。
なお、カンタスのフリークエント・フライヤー部門の最高経営責任者(CEO)を務めたオリビア・ワース氏は2024年に同社を退職。直後にデービッド・ジョーンズのライバル百貨店「マイヤー」のCEO兼取締役会長に転じた。
マイヤーは、航空業界2位のヴァージン・オーストラリア航空が運営する「ベロシティー・フリークエント・フライヤー」に参画。いずれもデービッド・ジョーンズ、カンタスとはライバル関係にある。顧客囲い込み戦略に長けたワースCEOの下で、マイヤーは今年後半に自社のポイント・プログラムも全面刷新する計画だ。
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