犯罪集団「スキャッタード・スパイダー」の関与濃厚

オーストラリアの航空最大手カンタス航空は2日、コールセンターの顧客サービス情報システムがサイバー攻撃を受け、個人データが盗まれたと発表した。
同システムは社外製で、約600万人のデータを管理しているという。盗まれた情報の規模は調査中だが、甚大な被害を受けた可能性があるとして、顧客にEメールで一斉に通知した。
初期の調査では、顧客の氏名、Eメールアドレス、電話番号、誕生日、マイレージサービスの番号が盗まれたことが判明した。ただ、クレジットカードや個人の金融データ、パスポートなどの情報はシステムに保存されていないため、無事だとしている。
2日午前までにシステムは復旧したという。カンタス機の安全な運航には支障はないとしている。
カンタスは、オーストラリア政府のサイバーセキュリティー対策センターや連邦警察などの機関に被害を届け、捜査に全面的に協力するとしている。
公共放送ABC(電子版)によると、サイバー攻撃の発表を受けて、オーストラリア証券取引所(ASX)では2日、カンタス株が一時、1.5%下落した。
なお、米連邦捜査局(FBI)は6月28日、X(旧ツイッター)への投稿で「サイバー犯罪集団『スキャッタード・スパイダー』が航空会社に攻撃対象を拡大している」と注意を呼びかけていた。
ABCによると、今回のカンタスへの攻撃を調査している民間のサイバーセキュリティー企業「サイバーCX」の広報担当者も「スキャッタード・スパイダーによる犯行の特徴と一致している」と指摘した。
■ソース
QANTAS CYBER INCIDENT(Qantas News Room)
Market live updates: ASX gains despite Qantas shares dipping on cyber attack(ABC News)