オーストラリア失業率、4.3%に上昇 3年半ぶり高水準

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新規就業者数2,000人増 市場予測大幅に下回る

オーストラリアの失業率の推移(折れ線グラフの水色は季節調整値、紺色はトレンド値)(出典:オーストラリア統計局)

 力強さを維持してきたオーストラリアの労働市場に陰りが見えてきた。オーストラリア統計局(ABS)が17日発表した雇用統計によると、6月の失業率は4.3%(季節調整済み)と5月の4.1%から0.2ポイント上昇した。

 2021年11月(4.6%)以来約3年半ぶりの高水準。豪準備銀(RBA)は、今回の局面で失業率が4.3%まで悪化すると予測しており、その上限に達した。

 新規就業者数は2,000人と市場予測の2万人(公共放送ABC電子版)を大幅に下回った。内訳はフルタイムが3万8,200人減、パートタイムは4万200人増だった。一方、失業者数は3万4,000人増加し、失業率を引き上げる最大の要因となった。

 オーストラリアの失業率は、コロナ禍の2020年6月〜7月に7.4%でピークを打ち、経済再開に伴う雇用市場の需給ひっ迫を背景に、22年7月には3.4%まで低下。その後緩やかに上昇し、23年末以降はおおむね4.0%前後のレンジで推移していた。

 ABCによると、ジム・チャーマーズ連邦財務相は、失業率の上昇について「(世界的な)経済の不安定感と(市場の)変動の激しさ、依然として高い金利の影響を踏まえると、避けられない結果だ」とコメントした。その上で、財務相は「試練に直面しているにもかかわらず、オーストラリアの失業率は歴史的な低水準を維持しており、労働参加率が引き続き過去最高の水準にあることは喜ばしい」と指摘した。

■ソース

Unemployment rate rises to 4.3%, Media Release(ABS)

Unemployment rate rises to 4.3pc in June(ABC News)

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