オーストラリアの離婚は多いの? 少ないの?

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10組中4組が破局って本当?

 オーストラリアではコロナ禍で結婚が激減して離婚が増えた約5年前と比べて、新婚カップルが増加する一方、離婚カップルは減少傾向にある。

 オーストラリア統計局が23日に発表した2024年(暦年)の結婚・離婚統計によると、同年に婚姻届けを出した新婚カップル数は12万844組と前年比で2.0%増えた。

 婚姻率の指標となる「人口1,000人(16歳以上)当たりの年間婚姻件数」(粗婚姻率)は5.5と前年と変わらなかった。結婚年齢の中央値は男性が32.8歳(前年比0.1歳低下)、女性が31.2歳(前年と同じ)だった。

離婚成立数は3%減

 一方、離婚が成立したカップルの数は4万7,216組と3.0%減った。離婚率の指標となる「人口1,000人(16歳以上)当たりの年間離婚件数」(粗離婚率)は2.1と0.2ポイント低下した。

 単純に年間の婚姻数と離婚数だけを比較すると、オーストラリアではおおむね10組が結婚するごとに4組が離婚している計算にはなる。

 なお、結婚から別居までの期間の中央値は9.3年(0.3年減)、結婚から離婚成立までの期間の中央値は13.2年(0.2年減)だった。別居から離婚まで平均4年程度かかっていることになる。離婚年齢の中央値は男性が47.1歳(前年と同じ)、女性が44.1歳(前年と同じ)だった。

「粗離婚率」は緩やかに低下 主要国平均とほぼ同じ

 オーストラリアでは離婚カップルの育児分担が進み、週末の公園やビーチなどでは離婚した片方の親が子どもの面倒を見る姿がよく見られる。収入の少ないシングレペアレント世帯への政府の手当も手厚く、一般的に離婚を社会が受け入れる体制が整っていると言える。

 ただ、離婚カップルの割合は長期的に低下傾向が続いている。経済協力開発機構(OECD)の統計(2022年=ABSの最新の統計とは異なる)によると、オーストラリアの粗離婚率は1996年に2.9でピークを打ち、約30年間に緩やかに下落。22年には1.9%とOECD加盟国の平均(1.8%)にほぼ並んでいる。

 一方、粗離婚率はチリ(3.6%)、米国(2.5%)などが高く、日本(1.5%)、イタリア(1.4%)、オランダ(1.3%)などは平均を下回っている。

■ソース

Marriages and Divorces, Australia(ABS)

Martial and partnership status, SF3.1 Marriage and divorce rate(OECD Family Database)

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