国内大学協議機関が性犯罪被害者に謝罪

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全国大学学生安全調査の結果で動揺広がる

 3月23日、Universities Australiaが、全国学生安全調査(NSSS)の結果を発表し、Universities Australiaのジョン・デュワー会長が、全国の大学で頻発する性暴行や性的ハラスメントの実態を明らかにするとともに被害者に謝罪した。

 同日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 この調査は、Universities Australiaの委託でThe Social Research Centreが独自に行った調査で、国内39大学での学生の性的ハラスメントや性的暴行の経験の規模と性格を調査している。

 調査が明らかにしたところによると、6人に1人が大学入学からこれまでに性的ハラスメントを体験しており、12人に1人は過去1年間に性的ハラスメントを体験している。また、20人に1人が大学入学からこれまでに性的暴行を体験しており、100人に1人が過去1年間に性的暴行を体験していた。

 そればかりでなく、被害者のほとんどが、性的犯罪被害を大学に届け出ようにもそのやり方も分からないと答えている。

 デュワー教授は、「この調査結果は気の重くなるような空恐ろしい内容だ。Universities Australiaと39大学を代表して深く謝罪したい」として、謝罪と共に全国の大学の学内の風土を改革するために努力すると語った。

 調査では、誰が被害を受けているか、性的加害行為が行われた場所なども対象としており、過去1年間の被害では女性、トンラスジェンダー、非バイナリーの学生が男子学生より高い率で被害者になっている。また、障害者、パンセクシャル、バイセクシャル、ゲイ、レズビアンの他、18歳から21歳までの若い学生も被害者になっている。

 障害を持った学生も被害者になっており、13.7%が性的ハラスメントを体験し、2.4%が性的暴行を体験している。また、加害者の85%以上が男子、20人に1人は大学職員だった。

 加害行為の場所としては、クラブ、社交イベント、学生寮、学生宿舎、個人の住宅などとなっている。

 大学別では、キャンベラの豪国立大学(ANU)が最悪で、26.1%の回答者が何らかの被害を受けており、平均の2倍になっている。12.3%は大学に被害を訴えており、女子学生の抗議行動も行われた。

 Universities Australiaが委託して行ったこの調査は43,000人を超える学生を対象にして行われ、1,835件の事例がNSSS報告書に記載されている。
■ソース
Universities Australia apologises to victims as it releases National Student Safety Survey into sexual assault and harassment

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