フライデンバーグ財相、燃料税割引などの措置示唆

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インフレ急上昇を考慮し、生計費増大を抑制する予算

 3月27日付ABC放送(電子版)は、連邦政府のジョシュ・フライデンバーグ財相の5月予算案が生計費の急上昇を抑える内容になることを示唆していると伝えた。

 現在、2年にわたるパンデミックと社会規制からの回復で消費者物価指数(CPI)が急上昇している上に、プーチン・ロシア大統領のウクライナ侵略に対して世界の先進国のほとんどがロシアに対する経済や文化、スポーツなどの面でほぼ全面的に制裁に加わっており、石油・ガスなどロシア産に負っている品目が世界的に値上がりしている。

 27日、フライデンバーグ財相は、29日発表の2022/23年連邦予算案に、これまでに要求のあった自動車燃料税の減額などCPIを抑制し、生計費の増大を緩和する対策を盛り込む考えを示唆した。

 フライデンバーグ財相は、現在のインフレ率が3.5%で、中銀(RBA)が既にインフレ目標率としている2%から3%という枠をはみ出しており、今後さらに増大すると予想されていることから、現在のところはインフレ率に対抗した予算案を進めていくことになる。また、今後も現在の予算案をさらに改善することを考えている、としている。

 その一つとして福祉や所得補助受給者約460万人への1回限りの給付がある。また、連邦財相は、ABCのインタビューに答えて、現在、石油価格が生計費上昇の最大の要因になっていることから、「自動車燃料価格が高騰しており、また、多くの国民世帯にとっては通勤や子供の送迎など自動車は生活上不可欠になっている。そのため、燃料価格高騰は国民世帯を著しく圧迫するものになっている」と語っている。

 ただし、現在、1リットル44セントの定率になっている自動車燃料税の引き下げがあったとしても一時的な施策であり、半年以上続くことはあまり考えられない。また、1リットルあたり5セントの引き下げがあったとして、50リットルのタンクに給油した場合には最大$2.50の節約になるが、政府にとっては半年で10億ドルの税収減となる。また、1リットルあたり10セントの引き下げをした場合にはその数字は2倍になる。

 財相にとって難関は、国民の生計費の上昇を緩和しつつ、インフレ圧力を抑制することで、財相は、「インフレ率はさらに上昇が予想されており、そのため、3月29日の予算案発表までにさらに予算の数字を改善することがあり得る。ただし、現在のインフレ率上昇はヨーロッパの動向を背景としている。そのため、パンデミック規制中の国民世帯は輸送費の値上がりに対して大幅にオンライン購入に移行してきた」と語っている。

 一方、約1,000万人に支払われていた$1,080の「低中所得The Low and Middle Income Offset (LMITO)は、段階的に廃止される予定になっている。
■ソース
Josh Frydenberg hints at fuel excise cut, with budget expected to address cost of living

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