【その1】 厳格化しているビザ申請
前回でも触れましたが ↓
ワーホリに朗報!特定の産業など条件により移民局の許可なく同じ会社で6ヶ月以上の就労が可能に
昨年末、オーストラリア首相が現在、社会が直面している住居不足について、留学生やワーホリなどの短期滞在者に原因があると言及したことは、記憶に新しいのではないでしょうか。それ以降、引き締めの意味を含め、学生ビザや観光ビザまでもが厳しく審査されることになり、却下される申請者が増えているようです。5月早々には学生ビザ申請時に必要とする資金証明も増額となり、今や学生ビザは安易なビザの選択肢ではなくなったようです。
【その2】サブクラス482TSSビザ改正
昨年末に移民計画が発表されて以降、学生ビザや卒業ビザなど移民法が適宜改正されていますが、会社スポンサーによる「482TSS就労ビザ」についても見直されており、「Skills in Demand Visa」というビザに取って代わる見通しです。専門機関や各種業界からの意見を基に最終的に法制化されることになりますので、詳細は確定ではありませんが、以下が簡単な概要となります。
右記のように3つのストリームで構成され、4年のビザが発給されます。どのストリームで申請する場合であっても、一定の条件を満たすことで永住ビザにつなげられる見込みです。
【ストリーム1:Specialist Skills Pathway】
オーストラリアに多大な利益をもたらすような高度なスキルを有し、最低給与13万5,000豪ドルで雇用してくれるスポンサー会社があること。職種リストにある職種を指定する必要はないが、職人系や機械オペレーターなど肉体労働関連は対象外とされる。
【ストリーム2:Core Skills Pathway】
オーストラリアが必要とする職種でのスキルを有し(新たに導入される職種リストに含まれる職種であること)、最低給与7万豪ドルで雇用してくれるスポンサー会社があること。看護師や教師、職人系の職種など主だった職種での申請が可能となる見込み。
【ストリーム3:Essential Skills Pathway】
給与の市場相場が7万豪ドル未満であるものの、オーストラリアにとって不可欠な職種が対象とされる見込みで、現482ビザ – 「Labour Agreement(労働協定)」ストリームと同じように高齢者福祉施設などに限定される可能性がある。
アドバイザー
清水 英樹
オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営