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オーストラリアのビザ制度は急速に変化しており、特に永住ビザ取得を目指す人にとって、新たな戦略は不可欠だ。かつて主流だった州指名永住ビザ(190ビザ)や地方州指名スキル・ビザ(491ビザ)は、近年の招待枠の減少により、申請が非常に困難に。そこで今回は、特に南オーストラリア州に強みを持つビザの専門家「TK Migration」にオーストラリアの最新ビザ事情や今後の留意点について話を伺った。
南オーストラリア州の招待枠の例
南オーストラリア州は、2022年度までクイーンズランド州やニュー・サウス・ウェールズ州に比べてビザを取得しやすかったと思います。しかし、2023-2024年度において、南オーストラリア州の招待枠は、190ビザが1100枠、491ビザが1200枠、2024-25 年度においては、190ビザは3000枠、491ビザはわずか800枠と非常に限られた数となっています。以前は、ビザの有効期限も考慮されていましたが、今年度より審査にビザの有効期限が考慮されなくなりました。これにより、スキルがあり、州政府や移民局の条件を満たしていても、ビザ申請の招待を受けるハードルは高くなっています。
Skills in Demand ビザの登場
2024年12月7日に導入された「Skills in Demand」ビザは、このような状況を打開する新しい選択肢として注目されています。このビザは特定のスキル不足分野を対象としており、以下のような特徴があります。
職歴要件の緩和
従来のスポンサー・ビザ(482ビザなど)では、最低2年間のフルタイム職歴が必要でしたが、Skills in Demand ビザでは1年に短縮されました。これにより、比較的キャリアの浅い方でも申請可能となりました。雇用形態がカジュアルの職歴も認められることが明記されました。
対象職種の変化
新しい職種リストの(CSOL=Core Skills Occupation List)では「カフェ・レストラン・マネジャー(Café or Restaurant Manager)」や「グラフィック・デザイナー(Graphic Designer)」、「チャイルドケア・センター・マネジャー(Child Care Centre Manager)」といった職種が削除された一方、「チャイルドケア・ワーカー(Child Care Worker)」や「ビューティー・セラピスト(Beauty Therapist)」、「ツアー・ガイド(Tour Guide)」などが新たに加えられました。これにより、特定の分野で永住ビザを目指す人々には新たな選択肢が求められています。
3つのStream
①Specialist Skills Stream: 年収$13万5,000以上の専門スキルを持つ申請者。「ANZSCO」の「Major Group 3、7、8」の職種は対象外。
②Core Skills Stream: CSOLリストに該当する職種の申請者。現時点の最低年収は$7万3,150。
③Labour Agreement Stream:移民局と雇用主の間で締結された労働協定のある雇用先が対象。
今後の主流はスポンサー・ビザを活用した永住ビザ
招待枠の減少に伴い、今後はスポンサー・ビザを活用して永住ビザを目指す流れが主流になると予想されます。この方法では、雇用主の支援を得てスポンサー・ビザを取得し、その後、永住権へ移行することが現実的な選択肢となります。
特に、スポンサー・ビザの要件に合致する経験を積むことが重要であり、そのためには、グラジュエイトビザ(485ビザ)を取得できるコースに留学することが有効です。このビザは、オーストラリアで卒業後に働きながら職歴を積む貴重な機会を提供します。
今後の留意点
オーストラリアで永住ビザを目指すには、自身のスキルや職種がどのリストに該当するのか、またビザ要件を満たすための準備が非常に重要です。特に、以下の点を考慮してください。
- 留学する場合は、グラジュエイト・ビザが取得可能なコースを選択
- コース修了後にノミネート可能な職種を確認
- ノミネート予定の職種では、スポンサー・ビザの最低給与の条件を満たせるかを確認
- 職種リストやビザの条件などの最新情報を定期的にチェックする
- スポンサー・ビザのサポートが得られる雇用主を探す
- 近年は、建設業、教育、医療関連職種の需要が高い
Skills in Demand ビザやDAMAを活用することで、永住ビザ取得の道を切り開く可能性が広がっています。今後の政策変更にも注目しながら、戦略的に行動することが成功の鍵となるでしょう。
TK Migration
Email: takuma.kadokura@gmail.com
Web: https://tkmigration2.com