
2025年、終戦から80年という節目の年を迎えるにあたり、シドニー大学日本研究科は「終戦80周年記念行事」を11月10日から16日まで開催する。世界各地で紛争が続く今日、平和と和解の重要性を次世代へ伝えることを目的として、学内外の研究者、芸術家、一般市民を対象に多彩なプログラムが企画されている。
期間中、大学内のチョウチャクウィン博物館(Chau Chak Wing Museum)では、「次世代による平和と和解活動」をテーマとしたシンポジウム(12日)が行われる。シンポジウムでは、戦争被害者・加害者の次世代による新たな和解の試みを紹介し、国籍や立場を超えた対話の可能性を探る。参加無料・要登録で、博物館への入場も無料だ。
また、11日にはセイモア・センター(Seymour Centre)で、新作能「長崎の聖母」が上演される。2024年に法政大学能楽賞を受賞した能楽師・清水寛二氏を中心に、日本から招かれた12人の演者による本格的な公演だ。シドニー大学合唱団によるグレゴリアン聖歌との共演も予定されており、伝統と現代が融合した独創的な舞台となる。
さらに、広島から来豪する土屋時子氏による原爆絵本の朗読や、ビデオ展示も予定されており、芸術と教育を通して「平和を語り継ぐ」意義を来場者に訴える構成となっている。
主催者は「学生や地域社会がともに平和への意識を深め、非核・反戦への理解を新たにする場としたい」と話している。

詳細及び、登録は以下の公式サイトから確認できる。
公式サイト:https://sites.google.com/view/80anniversary/home
セイモア・センター:https://www.seymourcentre.com/event/the-holy-mother-of-nagasaki/
シドニー大学合唱団:https://singon.wordpress.com/2025/09/28/the-holy-mother-of-nagasaki-a-noh-performance-with-choir/