オーストラリア人に人気の北海道、アイヌ文化への理解も高まりを見せる─National Ainu Museum「ウポポイ」がオーストラリアでプロモーション強化

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2026年2月、シドニー総領事公邸で行われた天皇誕生日レセプションにて

 オーストラリア人旅行者にとって、北海道は今や日本を代表する人気デスティネーションの1つとなっている。ニセコや富良野、ルスツなどに代表されるスキーリゾートは高い知名度を誇り、冬のパウダースノーを求めて毎年多くのオーストラリア人が北海道を訪れていることはもはや周知の事実だろう。

 一方で、北海道の魅力は雪や自然、食だけにとどまらない。近年、日本国内外で関心が高まりつつあるのが、北海道を中心に受け継がれてきた先住民族・アイヌの文化だ。アイヌの人々が育んできた独自の言語、信仰、工芸、音楽、舞踊、食文化は、北海道をより深く理解する上で欠かせない要素となっている。

 こうした背景の中、National Ainu Museumを中心とする民族共生象徴空間「ウポポイ」が、オーストラリア市場に向けたプロモーションを展開している。北海道を訪れるオーストラリア人旅行者に対し、スキーや観光に加えて、アイヌ文化に触れる新たな旅の価値を提案することが狙いだという。

 アイヌ文化への関心は、近年のポップカルチャーの影響もあり、若い世代を中心に少しずつ広がりを見せている。特に北海道を舞台にアイヌ文化を描いた人気漫画『ゴールデンカムイ』は、日本国内のみならず海外でも知られる作品となり、アイヌの暮らしや精神文化に興味を持つきっかけの1つとなっている。

 ウポポイは、北海道白老町に位置するアイヌ文化の復興・発展の拠点であり、国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園などで構成されている。施設内では、アイヌの歴史や文化を学べる展示のほか、伝統舞踊、音楽、工芸、食文化などを通じて、アイヌ文化を体験的に理解することができる。

ウポポイで体験できる様々プログラムの例(ウポポイマガジンより)

 中でも、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「アイヌ古式舞踊」の上演や、口琴「ムックリ」の演奏、刺繍や木彫りなどの体験プログラムは、訪日外国人にとっても印象的な文化体験となる。また、アイヌの伝統的な食文化に触れられる機会もあり、北海道の旅に新たな奥行きを与えてくれる。

 これまでオーストラリア人にとって北海道は、主にスキーや温泉、グルメを楽しむ場所として認識されてきた。しかし今後は、自然と共生してきたアイヌの文化や精神性に触れることが、北海道旅行の新たな魅力として注目されていく可能性がある。

「食」を通してアイヌ文化を気軽に体験。(ウポポイ施設情報より)

 雪国としての北海道、食の宝庫としての北海道、そして先住民族の文化が息づく北海道。北海道を訪れる際には、スキーや温泉、美食だけでなく、アイヌ文化に触れる時間を旅程に加えてみてはいかがだろうか。ウポポイでの体験は、北海道という土地の魅力をより深く知る貴重な機会となるだろう。

アイヌ民族共生象徴空間(ウポポイ)

ウポポイ体験https://upopoy-magazine.jp/experience/
ウポポイ施設情報https://ainu-upopoy.jp/facility/restaurant/

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