ワンダフル・ライフ in AUS
可愛い盲導犬人形が5ドルで登場
オーストラリア各地に日用品の大型店舗を展開するKマートが、盲導犬協会であるガイド・ドッグ・オーストラリアの協力を得て、子ども向けの盲導犬の人形販売を始めた。
盲導犬協会では、視覚障がい者が街へ出ていく勇気を持つことを後押しし、より安全に、もっと自由に歩き回れる社会になることにつながるすばらしい取り組みだと、この企画を全面的にバックアップしている。
Kマートは、既に2020年から社会の多様化を子どもたちのおもちゃにも反映させようと、松葉杖をついた人形、義足の人形、白い杖を持つ視覚障がいのある人形、耳に器具を付けた聴覚障がいのある人形、車椅子に座る人形、ダウン症の人形なども展開している。
自分とは違う人がいて、そういう人びとは自分の身近にいるのだ、ということを幼いころから当たり前のように感じて育つことはとても大切だ。障がいのある子どもたちにとっては、自分と似ている人形が存在することで、自分たちも当たり前のように社会の一員なのだ、と感じることができる。自身のアイデンティティーを形成していく上で、遊びを通して自己肯定感を高めていくことにもつながる。
そして何よりこの人形、プラスチック製の盲導犬部分がリアルに再現されていて、かなり可愛い。女の子の人形「レイシー」は茶色のラブラドール、男の子の人形「ルーク」は黒のラブラドールの手綱を持っている。価格はそれぞれ1体5豪ドルと手ごろだ。
Kマートはこのおもちゃを販売するにあたって、視覚障がいのある子どもたちへのプレゼントとしてガイド・ドッグ・オーストラリアに1000体の人形を寄付したそうだ。
Kマートのような大手販売店が、このような商品を誰にでも手軽に買えるおもちゃとして販売すれば、オーストラリアの子どもたちに与える影響は大きい。さまざまな業種の他社もこの動きに続くことを願いたい。
このコラムの著者
ランス陽子
フォトグラファー/ライター、博士(美術)。ボーダー・コリーのスパーキーとゴールドコーストで暮らす。現在はグリフィス大学で日本語のゴールドコースト方言を研究中。
「ゴールドコースト弁を探せ!プロジェクト」Web:www.facebook.com/ゴールドコースト弁を探せプロジェクト-111907644314202