豪州ビザ最新事情
移民のための英語プログラム – AMEP
特定の永住ビザ及び暫定ビザを取得すると、「AMEP – Adult Migrant English Program」という移民のための英語プログラムを無料で受講することができますが、2020年8月28日以降、このプログラムが大幅に改正されました。
それまでのAMEPは510時間までの受講を可能とし、受講者の英語レベルが「Functional English(IELTS4.5相当の基礎レベル)」に達するための授業を提供してきました。
最低限必要とされる基礎英語力を身に付け、いち早くオーストラリア社会に溶け込めるよう手助けすることが目的でした。
以下が改正後のAMEPですが、改正に至った主な理由として、TAFEなどの専門学校の入学基準がそもそもIELTS5.5相当以上であるにもかかわらず、基礎レベル程度の英語力では就職先を見つけるのは現実的に難しいという点が挙げられています。
改正後のAMEP
- 「Vocational English(実践レベル)」の英語力を身に付けられるまで受講することを可能とする
- 20年10月1日の時点で対象となるビザでオーストラリアに入国済みの場合、申込期限、受講期間の制限を撤廃
- AMEP卒業後、長年定住している場合でも再度受講することを可能とする
AMEPでは、単に英語を学ぶだけではなく、仕事の見つけ方、履歴書の書き方、面接の準備や職業訓練など就職先を見つけるために必要なプログラムも提供してくれます。
また、小学生以下の子どもがいる場合には、受講中にチャイルド・ケア・センターに無料で子どもを預けられるよう手配もしてくれます。
AMEPはTAFE(職業訓練専門学校)などが主に請け負っており、全国に約300カ所ありますが、50キロ以上離れた所に住んでいる場合や諸事情により通学できない場合には、通信での受講も可能です。
対象となる永住ビザは、ファミリー・ビザや人道的ビザの他、暫定一時滞在ビザ(188、820、309など)を取得した場合も含まれています。
少しでも高い英語力を身に付けられることで、オーストラリアでの生活全般において選択肢の幅が広がります。今回の改正前に既に受講済みの人も含め、対象となる人にはぜひ受講をお薦めしたいプログラムです。
アドバイザー
清水 英樹
オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営