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バレエとひと言で言っても……/QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドドゥ

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QLDバレエ団
合々香と弘平のグランパドドゥ 第3回

バレエとひと言で言っても……

クラシック・バレエの名作「ラ・バヤデール」のブロンズ・アイドル(黄金の仏像)を踊る筆者(© David Kelly)
クラシック・バレエの名作「ラ・バヤデール」のブロンズ・アイドル(黄金の仏像)を踊る筆者(© David Kelly)

そもそもバレエのすばらしさとは?――バレエ歴20年の僕が思うところを少々。

皆さんがバレエと聞いて、すぐイメージするのは、主にクラシック・バレエとして演じられる『クルミ割り人形』や『白鳥の湖』でしょう。その長い歴史の中で洗練されてきた、テクニックや決められたポジション、体のラインは、それこそ「芸術」そのもの。幼少期からの正しいレッスンによって、間違いのない体の使い方を学んでこそのものです。クラシックの演目には物語があることが多く、言葉では伝えられないストーリーを、マイムや顔の表情で伝える技術も不可欠です。そんなクラシック・バレエは、踊りと音楽、舞台装置が一体となって成り立つ総合舞台芸術と言えます。

一方、クラシックのテクニックをベースに、より斬新な表現や音楽を使うのが現代バレエ。『ロミオとジュリエット』や『火の鳥』などの演目が有名です。更には、コンテンポラリー・ダンスも現代のバレエ・ダンサーは踊れて当然。決められたステップをつなげて踊るクラシックとは違い、何もかも自由なのがコンテンポラリー。決められた動きやルールがなく、振付家やダンサーの個性を体現した抽象的作品が特徴です。衣装や舞台装置もきらびやかだけでなく、現代美術館にいるような感じを与える作品も多くあります。

同じ演目でも振付家が異なれば全く違う解釈や捉え方ができる――。本当に奥が深いバレエは、言葉では伝わらない感動を伝えられるからこそ、優れた「芸術」として支持され続けているのだと、僕は信じています。駆け足になりましたが、今回はこの辺で。

このコラムの著者

岩本弘平/QLDバレエ団シニア・ソリスト

岩本弘平/QLDバレエ団シニア・ソリスト

兵庫県伊丹市出身。11歳からバレエを始め、18歳でメルボルンのオーストラリアン・バレエ・スクールに入学。その後、ロイヤルNZバレエ団を経て、2018年にQLDバレエ団に移籍。趣味はウクレレ、スポーツ観戦、睡眠、日本のお笑い。祖母の手作り水餃子の味を懐かしみながら、大好きなウィスキーのグラスを傾ける

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