ビザ
Q
2019年12月にCookery III、IV、Diplomaのコースを修了しました。永住権申請を希望しています。もうすぐビザが切れるのですが、どのように準備していけば良いですか?(20代男性=学生)
A
シェフとして申請する人は、永住権用の技術査定のためにも、卒業生ビザの申請が必要です。卒業生ビザは、オーストラリアで就学した人がある一定の基準を満たせば申請できるビザとなります。申請はコース修了後6カ月以内に、オーストラリア国内でする必要があります。卒業生ビザには以下の2つの種類があります。
1. Graduate Work Stream
このビザは、サブクラス189の移民リストに載っている職のみ申請ができます。シェフなどの技術職が該当します。また、技術査定が必要となります。また、勉強のコース内容は、申請職に関連していなければなりません。ビザの期間は1年半です。
2. Post Graduate Stream
オーストラリアで大学卒の人が申請でき、具体的にはBachelor degree、Bachelor (honours) degree、Master by course work degree、Master (extended) degree、Master by research degree、Doctoral degreeの卒業資格が必要となります。Graduate DiplomaやGraduate Certificateなどの単独、あるいはCertificate IVやIIIなどでは、このビザは申請できません。また2011年11月5日以前に学生ビザを保持していた人も、申請できません。このストリームの場合、技術査定は不要となります。ビザの期間は修了した学位によりますが、一般的なBachelorやMaster(コース・ワーク)修了の場合、2年のビザが出ます。
上記の両ストリームに共通して必要な条件は、以下のようになります。
- 申請時に50歳未満であること
- 申請からさかのぼって、過去6カ月以内に学生ビザを持っていたこと
- IELTSなどのスコアで規定以上の英語力証明ができること
→英語試験には、IELTS、OET、TOEFLiBT、Pearson Test、Cambridge English: Advanced (CAE) testなどがあります。IELTSの場合は、平均スコア6、各セクションのスコアは最低5が必要になります。 - オーストラリアでの勉強規定を証明できること
→オーストラリアで2年以上にわたって勉強をしている必要があります。単位免除などを受けられた方は、その分コース期間が短くなってしまいますので注意してください。 - 健康状態、犯罪歴などの規定をパスすること
- 健康保険に加入していること
シェフで申請する場合、技術査定は4段階となります。まずは学校の卒業証明と、360時間分の仕事証明で、卒業生ビザ用の技術査定を出してもらいます。無事に卒業生ビザが認可されれば、そのビザ期間内に残りの3段階の審査を受けて、永住権用の技術査定結果を出してもらい、独立移住にての永住権申請となります。
上記は一般的なご案内であって、各個人へのアドバイスとして使われるものではありません。ご自身の状況については、専門家とご相談されることをお勧めします。
*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せ頂いたご相談は、紙面に掲載させて頂く場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。
西尾 彩子(にしお あやこ)
Australian Visanet
UTS並びにシドニー大学卒業。教育、流通、航空業界での経験を経て、永住権取得後、移民エージェントとなる。豊富な社会経験を生かした確実・丁寧なコンサルタントに定評がある