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【QLD】基本から分かるオーストラリアの医療制度2019

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オーストラリアの医療制度は日本と異なる。医師への掛かり方も日本とは違うため、戸惑うことも多いだろう。そこで今回は、両国の医療システムの違いから、病院に掛かる前の日頃の検診や予防医療をどのようにするべきかについて解説する。

体の不調を感じたらまずはGPへ

日本では、風邪を引いたら内科、耳の調子が悪いなら耳鼻科、けがをしたら外科といった具合に、症状に合った病院や医療サービスを自分で選んで受診する。しかしオーストラリアでは、体調に異変を感じた場合は、まずGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医を訪れるのが一般的だ。しかし、日本のように行けばすぐに診察してもらえるわけではなく、まずはGPに電話などで予約をすることが必要だ。診察もしくは治療後、必要であれば処方箋を書いてもらい、それを薬局に持って行き薬を購入する。GPでは対応できない症状の場合や特別な検査が必要な際は、専門医(Specialist)への紹介状(Referral Letter)を書いてもらい、予約を取って後日、専門医を訪れることになる。各専門医や検査機関での結果は、全てGPに共有されるので、GPは引き続き患者の状態を把握できる。そのため、「掛かり付け医」のような感覚で自分が頼れるGPを決めておくと良いだろう。

また、複数のGPで運営している診療機関やメディカル・センター(Medical Centre)の診療内容は、個人開業のGPと基本的には変わらないが、検査設備などが充実している場合がある。深夜まで診察を行っている所や、24時間体制の所もあるので、突然のけがや体調不良に備えて、最寄りのメディカル・センターを確認しておくと安心だ。

オーストラリアの医療体制の概要

■一般開業医 GP(General Practitioner)

オーストラリア全国で約3万5,000人(2017年時点)のGPがいる。GPは、内科、外科、婦人科、小児科、皮膚科、耳鼻科など、さまざまな分野の医療知識を持っており、風邪、湿疹、アトピー、鼻炎、高血圧、軽いけがや骨折、婦人科検診など、歯科以外のほぼ全ての分野の病気やけがに関して診察を行うのが一般的だ。専門医を訪れなくても、GPに行くだけで解決することも多い。

GPを訪れる際は特に制限はなく、どこのGPを選んでも問題ない。しかし、通勤・通学時の利便性などを考えると、自宅や会社近くのGPに行くのが安心だろう。

■専門医(Specialist)

前述したように、GPの診察だけでは補えないと判断された場合は内科、外科、小児科、整形外科、耳鼻科などの専門医を紹介されることになる。GPと一緒に、電話やオンラインで予約を入れるのが一般的だ。しかし、込み合っている医療機関が多く、予約が取れるのは最低でも1週間後、場合によっては1カ月以上先になることもあると言われている。ただし、GPが緊急性が高いと判断した場合は、優先的に手配してくれる。

■病院(Hospital)

病院は、公立病院(Public Hospital)と私立病院(Private Hospital)に分けられ、それぞれが総合病院と専門病院に分けられる。公立病院は、州政府と連邦政府の資金補助により運営されており、私立病院は、更に営利と非営利の2つのタイプが存在する。

■薬局(Chemist)

オーストラリアの薬局は「Chemist」と呼ばれる場合が多い。まれに「Pharmacy」と表示されていることもある。医師からもらう処方箋には、処方薬を指示した物と、一般市販薬を指示した物があり、処方薬を出してもらう場合は、「Prescription」と掲げられたコーナーに行く。処方箋を必要としない一般市販薬が必要な場合は、どれが何の薬か分かりにくいこともあるので、店員や薬剤師に薬の名前を伝えて場所を教えてもらうのが良いだろう。

知っておきたい医療事情

■歯科

オーストラリアでは、1本の虫歯を治療するだけでも高額な費用が掛かる。メディケアや一般的な留学生保険では歯の治療費はカバーされないので、オーストラリア人や永住権保持者でも、歯の治療のために民間医療保険に別途加入している人が多い。歯の治療のために保険に加入する場合、注意しなければならないのが、ウェイティング・ピリオド(非適用期間)の存在だ。保険が有効になるのは保険加入日から数カ月後となっており、その前に歯科医に行っても治療費はカバーされないため、事前に加入しておくのがスマートな策だ。民間医療保険は価格帯もサービスもさまざまなので、専門家からの意見も踏まえた上で、自分に合った適切なプランを探し、安心していつでも歯の治療を受けられるように備えておこう。

また、妊娠中の人は、胎児への影響から、治療で使用できる麻酔薬が限られるので、診察時には必ず妊娠中であることを伝えておく必要がある。

■眼科

眼科医(Ophthalmologist)に行く際は、GPの紹介状が必要になる。しかし、検眼医(Optometrist)はコンタクトレンズや眼鏡の販売店を兼ねていることが多く、直接予約をして訪れることができる。

■妊娠・出産

オーストラリアで妊娠した可能性がある時は、まずGPで妊娠検査を受けよう。出産に当たり公立病院・産科専門医を選ぶ場合は、GPが紹介状を書いてくれる。定期検診は公立病院と専門医のどちらでも行っているが、出産は公立病院、私立病院、自宅のいずれかになる。

市民・永住者が、公立病院で医師を指定せずに一般患者として診察・出産する場合、費用が全額メディケアでカバーされる。一方、医師を指定する場合や私立病院では、個人患者として差額を負担する必要があるので注意しよう。民間保険ではその差額をサポートするものがあるが、加入時に妊娠していないことが条件となるので、確認しておくのが無難だ。

■心のケア

慣れない海外生活ではストレスがたまり、心が疲れてしまうことも少なくない。心の不調も体の不調と同等という認識が定着しているオーストラリアでは、心理カウンセラーやセラピスト(心理療法士)、サイコロジスト(臨床心理士)のカウンセリングを受けることも一般的だ。カウンセリングを受ける際、GPの紹介状があれば保険が適用される場合があるので、まずカウンセラーに電話で問い合わせてみよう。また、緊急で心理的なサポートが必要な場合には、毎日24時間対応の、訓練されたボランティア・カウンセラーによる電話カウンセリング・サービス「ライフライン」(Tel: 13-11-14、Web: www.lifeline.org.au)を利用できる。

■救急車事情

日本では救急車の利用は無料だが、オーストラリアでは基本的に有料で、メディケアでもカバーされていない。QLD州では、居住者の条件を満たしていれば救急車を呼ぶのには費用は掛からない。しかし、NSW州を含む他州では、カバーできる保険に入っていなければ費用が掛かる場合がある。ちなみにメディケアでは救急車は適用外だが、留学生用健康保険では通常カバーされている。緊急車両の使用料金や条件は州によって異なるので、万が一に備えて、自分が暮らす州で救急車の利用にどれくらい費用が掛かるのか、また自分の加入している保険が救急車の費用をカバーしているかどうかを確認しておこう。

日本語診療・通訳サービス

ゴールドコーストやブリスベンなどの主要都市では、日本語で診療が受けられるGPが少なくない。また、英語を話せない市民・永住者のために政府が無料で提供している翻訳・通訳サービス「TIS(Translating & Interpreting Service)」(Tel: 131-450)も利用可能だ。電話による通訳サービスは年中無休で24時間対応。通話は医師と患者、通訳者の3者で行い、問診の必要があれば応急処置を聞くことができる。

心身共に健やかな日々を送るために大切なのは、普段の生活において健康に注意することではないだろうか。病気になってからではなく、定期検診などを怠らず、病気の予防に努めることも重要だ。

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