第12回犬を膝に乗せて運転すると、448ドルの罰金?
先日、犬を膝に乗せて運転していた人に448ドルの罰金というニュースが流れた。NSW州で31歳の人物が運転する車が飲酒運転の検問へ差し掛かったところ、膝に犬を乗せていたため、罰金と3ポイントの違反点数を科されたのだそうだ。この件について警察がSNSで告知したところ「そんなルールは知らなかった」と反応する人が多かったらしい。そういえばちょっと前に、同じようなケースについて警察のドキュメンタリーTV番組でも放送されていた。ドライバーは警察に注意され、やはり驚いていた。
犬を飼っていると、車に犬を乗せて移動する機会は多い。ちょっと遠くに散歩に連れて行きたい時や獣医への訪問はもちろん、旅行やキャンプなどに犬を連れて行く人も多いだろう。車で走っていると、信号で横に止まった車の窓から犬がちょこんと顔を出していることも多い。だがそんな時、犬は大抵、車の中を自由に歩き回れる状態なのではないだろうか。
QLD州でも同様に、犬を膝に乗せたり犬が運転の妨げになることは違法とされている。犬が運転の邪魔をすると、事故が起きる可能性が高まるからだ。犬をつないでおかなければいけないという法律はないが、車の中では犬をつないでおくことが「推奨」されている。
また、オーストラリアで人気の車種でもあるユート(ピックアップ・トラック)やトラックの荷台に犬を乗せる場合にも注意が必要だ。荷台にいる犬がケージに入っていない、またはつながれていない場合には、車に固定されていない危険な荷物とみなされて、最高2,611ドルもの罰金となる。
動物保護の観点からも、動物保護協会のRSPCAなどが注意喚起をしている。毎年5,000頭もの犬が、動いている車から飛び降りてけがをしたり死亡したりしているそうだ。乗っている車が交通事故にあった場合も、シートベルトをしていない犬や荷台に乗っているだけの犬がどうなるかは想像に難くない。
ランス陽子
フォトグラファー/ライター、博士(美術)。数年前にシェットランド・シープ・ドッグの2頭が亡くなり、現在はオーストラリアで古くから牧羊犬として愛されているボーダー・コリーのスパーキーとゴールドコーストで暮らす。
Web: www.yokolance.com.au