幸せワイン・ガイド@オーストラリア
今月のテーマ:フランス系イベントの多い7月にフランス・ワインを楽しんでみよう
7月はパリ祭やツール・ド・フランスなど、フランスに関するお祭りやイベントが多く行われる月ですね。オーストラリアでもフランスにちなんだイベントが目白押し。せっかくですのでフランス・ワインや料理、映画などを楽しんでみてはいかがでしょうか。今までこのコラムでは、基本的にオーストラリア・ワインに限ってご紹介してきましたが、今回はフランス・ワインのお話をしましょう。
パリ祭にツール・ド・フランス
パリ祭とは英語で「バスティーユ・デー」と言われ、フランス共和国の成立をお祝いする日です。1789年7月14日に発生しフランス革命の発端となったバスチーユ監獄襲撃及び同事件の1周年を記念して、翌90年に行われた全国連盟祭が起源となっています。また、ツール・ド・フランスは文字通り「フランス一周」という意味で、毎年フランスとその周辺国を舞台にして23日間にわたり開催される自転車ロード・レース。連日テレビでは競技が行われるフランス各地の美しい風景が映し出され、フランスのワインや食、ファッション文化などが紹介されるのも、楽しみの1つですよね。
オーストラリアでも買えるフランス・ワイン
オーストラリアに住んでいると、普段はオーストラリアのワインをメインに飲むことが多くなるかと思います。ただ最近、オーストラリアでもフランスやイタリア、スペイン、ドイツ、あるいは南アフリカなど、手に入るワインの生産国の選択肢が格段に増えてきました。
難しくないフランス・ワイン
オーストラリアでワインを覚えた方には、フランス・ワインを買おうとしてみて、ちょっと難しいと感じられることがあるかもしれません。伝統的にフランスのワインは、ラベル産地の表記のみで、ブドウの品種の明記がない物が多かったのです。これは、フランスを含むEU諸国の多くでは、各産地の名称を使用するために使用できるブドウ品種などがあらかじめ法律で決められているためです。そのため、少し前まではフランス・ワインは品種ではなく産地で選んで買う物で、購入に当たってはその産地のワインがどのような物かということを知っていることが前提となっていました。
ですが最近では、フランス・ワインもより消費者に分かりやすいようにと、オーストラリアやニュージランドのように品種をラベルに明記する生産者が多くなってきました。特にフランス南部のラングドック地方では、昔からブドウ品種を明記したワインが多く生産されています。
今回ご紹介する「エクスキューズ・マイ・フレンチ(Excuse My French)」も、フランスの南部、ラングドック地方で造られています。
エクスキューズ・マイ・フレンチとは?
エクスキューズ・マイ・フレンチというフレーズの意味とは、「私の下手なフランス語で失礼しました」という、その言葉通りの意味、ではないんです。例えば悪態をついたり、ちょっと汚い言葉を使ってしまった時などに「おっと失礼、でも今のはフランス語だから許してね♪」と、少々ふざけて言うためのフレーズです。
ウィットの効いたブランド名にボーダーのシャツとベレー帽をモチーフにしたモダンで可愛いパッケージ、手に届きやすい価格(希望小売価格20ドル)、そしてブドウ品種が明記された、分かりやすいラベル。オーストラリア・ワインになじみの深い私たちにも、分かりやすく楽しめるフランス・ワインです。
現在は8種類が展開
現在白ワインはシャルドネとソーヴィニョン・ブランの2種類、グルナッシュからできたロゼ・ワインが1種類、そして赤ワインはピノ・ノワール、グルナッシュ、GSM(グルナッシュ・シラー・ムーヴェドレのブレンド)、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンの5種類です。どれも飲みやすく品種の特徴が分かりやすいスタイルに仕上げられており、食事とも合わせやすいあっさりとした口当たりが魅力です。
実はまだ日本には進出していないフランス・ワイン。今まであまりフランス・ワインになじみがなかった方も、フランスのイベントが目白押しの今月、ぜひ一度お試しください。
*今月のお薦めワイン*
エクスキューズ・マイ・フレンチをフランス料理と
ソーヴィニョン・ブラン
アスパラガスのグリル、生牡蠣、白身魚のグリルなどと
ロゼ
ゴート・チーズ、ニース風サラダ、ブイヤベースなどと
ピノ・ノワール
鴨のロースト、テリーヌ、牛のタルタルなどと
フロスト結子
オーストラリアと日本でワイン業界に携わり10年以上。フリーランスでワイン専門通訳、翻訳、ライター、市場調査、イベントなど幅広くこなす。私生活ではマラソン・ランナー。世界最大のワイン教育機関WSETの最上位資格、WSET®︎Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。
Web: auswines.blog.jp