豪州ビザ最新事情
移民法におけるデファクト関係
自身のビザ申請にパートナーを含める場合や、パートナー・ビザを申請する場合などでよく耳にする “De facto relationship”ですが、移民法におけるデファクト関係とは以下のように定義されています。
- 他の誰にも拘束されず互いに委ね合う関係であること
- 真剣で真面目な関係が継続していること
- 同棲していること、または、別々に暮らしている場合でも仕事や宗教、ビザ上などの理由による一時的なものであること
- 血縁関係にないこと
基本的に、ビザ申請日からさかのぼって12カ月以上デファクト関係にあるか、または、12カ月以下のデファクト関係であっても州政府に対し2人の関係を登録している場合にビザ申請が可能になりますが、移民局では、2人が一定期間以上デファクト関係にあるのか否かを判断していく上で、以下の項目に沿った審査を行います。
- 経済面での2人の関係
- 生活面での2人の関係
- 社会面での2人の関係
- 本質的な2人の関係
共同名義での不動産や負債、生活費の分担、経済的援助など
同棲証明、家事分担、養育の分担など
第三者から見て2人の関係をどう認識しているのか、カップルとしての活動など
出会ってからの経緯、同棲期間、関係の深さなど
以上のことから、単に彼氏彼女の関係ではなく、婚姻関係になくても夫婦同然の関係にあることがデファクト関係ということになります。
移民局は提出される書類からのみ2人の関係を判断していくので、関係を示す書類はどのような書類であっても、あればあるほど可能性は高くなります。移民法においては婚姻関係もデファクト関係も同等とみなされるため、デファクト関係だから婚姻関係より不利であるといったことはありません。デファクト関係にある場合には、それを証明する書類や記録を少しでも多く集めることが秘訣と言えるでしょう。
なお、家族法に関連して、デファクト関係にあるパートナーと財産分与の話し合いになる場合には、デファクト関係にある期間などの定義が異なるので、専門家によるアドバイスを求めることを強くお勧めします。
アドバイザー
清水 英樹
QLD州弁護士、ビザ・移民法政府公認アドバイザー(MARN9900985)。「フェニックス法律事務所」筆頭弁護士所長の他、移民ビザ専門コンサルティング会社「GOオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故、労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営する