Vol.14 Happy Women’s Day
こんにちは。フィットネス・トレーナーのASAMIです。気が付けば、昨年2月からスタートした連載が1年経ち、いろいろな反響を頂けてとてもうれしく思います。これからも皆さんのご意見を参考にしながら企画を考えていきたいので、ご意見・ご感想をお待ちしています。
国際女性デー
今月は、自身のSNSでも女性の自立やフィットネスとの向き合い方などについて積極的に配信しています。その理由としては、3月8日が国際女性デー(International Woman’s Day)だったからです。
「国際女性デー」は、女性の自由や平等について考える記念日で、世界各地で女性たちの権利について訴えるデモや式典が行われています。
日本では近年話題になっていますが、オーストラリアでは女性の自立意識が日本よりも早く動いていた印象があり、私が在豪していた当時から習慣化されていました。正直、私が女性の自立について深く考え始めたのは、約10年前にオーストラリアに住み始めたことがきっかけです。
何と言っても、女性たちが“強く、美しく、そして格好良い”。日本では“かわいい”女性の印象が強かった当時、シドニーのクロスフィットBOXに行った際、「何て格好良いんだ!」と現地の女性たちに尊敬の眼差しを向けたのを覚えています。
ファーム生活をしていた時も、女の子がバギーを運転して積極的に挑戦する姿も印象に残っています。
私はフィットネス・トレーナーとして、女性とフィットネスの向き合い方について深く考えるようになりました。女性は男性と比べて、各年代、ホルモンによる大きな体の変化があります。出産や更年期を経ても健康的に美しくあり続けるためには、どの年代においても運動や食事をバランスよくしておくことが重要です。私は、女性トレーナーならではの理解を深めて長期的な視点で継続できる運動方法を提案していきたいと日々考えています。
経済状況とフィットネス習慣
クロスフィットの体験時に入会を迷う女性たちの「旦那さんに聞いてから考えます」という言葉。各家庭の状況はそれぞれあるものの、やりたいと思っても旦那さんの理解を得られないとできない家庭もあるということに直面することが多々あります。そういった家庭にオススメしたいのが、旦那さんもお子さんもみんなまとめて連れてきちゃうこと!
私たちのBOXにも、夫婦どちらかがスタートしたクロスフィットが家族全員の週末の日課になっている人が多くいます。週末にはキッズ・クラスがあり、子どもたちがクラスを受けた後に、パパとママがクラスへ。その間子どもたちはフリー・スペースで自由に遊んでいたり、パパとママを応援したりします。
旦那さんの「子どもや妻に格好悪いところは見せたくない!」本能をくすぐり、一緒に運動すれば、家族みんなが健康習慣を身に付けることができます。多くのクロスフィットBOXが家族割料金などを設定しているので、お得に入会できるのも魅力です。
ダイエットとフィットネス
日本の多くの人がダイエット目的(体脂肪減少)でジムへの入会を検討する傾向にありますが、実はダイエット目的だと続かない……なんて経験はありませんか!? 運動を続けるコツは「運動そのものを楽しんで、習慣にすること!」。クロスフィットの良いところはダイエット目的で始めた運動が、いつの間にか生活の楽しみ・習慣になっていて、なくてはならない時間になること。「ハマりすぎて、思っていた以上に筋肉がついちゃったのでどうしたら良いですか!?」など、女性から相談を受けることもあるのですが、どうとでも調節できる点もクロスフィットの良さの1つです。個人に合わせて、ウエイトやプログラムを自在に変えることができ、そのためにコーチがいるので、体の悩みなどはコーチと相談しながらなりたい自分を目指して楽しみましょう。
生理とフィットネス
「生理中のトレーニングはどうしたら良いですか?」という相談が多く寄せられるのは、女性コーチならではだと思います。女性は1カ月の中でホルモン・バランスが波のように変わり、個人差はあるものの約1週間は経血と共に生活をし、人によってはその約1週間前からPMSが始まるため、「2週間しかまともにトレーニングできないの!?」と考えてしまいますが、生理中は無理にとは言いませんが、そこまで気にせずトレーニングしても大丈夫です。むしろPMSのイライラなどトレーニングで発散できることもあります。
私はクロスフィットを始めてから、生理痛や生理不順がなくなったので苦痛はありません。ただ経血は出ているので、クロスフィットでよく行う逆立ち系の動きはその期間はやらないように意識することがあります。
自身の生理と向き合いながら、頑張り過ぎずにトレーニング継続しましょう。
妊娠とフィットネス
日本では多くのフィットネス・ジムで妊娠中の人の使用が禁止されていますが、米国発祥のクロスフィットは、妊娠中も継続することができます。もちろん、担当医と相談して頂く必要はありますが、これまで運動していた人が妊娠中いきなり何もしなくなるとストレスに感じることもあるでしょう。もちろん妊婦用の調整プログラムなどもあるので、コーチと相談しながら続けられる人は運動習慣を続けて欲しいです。
私のクライアントにも出産ギリギリまでクロスフィットを続けた人がいますし、自分の体と相談しながら、できる限り続けて欲しいなと思います。
子育てとフィットネス
妊娠中よりも産後の体のケアには注意が必要です。産後の無理は禁物です。特に子宮が下がっていたり、ゆるんでいたり、傷ついている状態なので、産後1~3カ月くらいはゆっくり過ごしつつ、ジャンプや力みすぎる動作は避け、徐々にリスタートしていくのが良いと思います。長く休みすぎると、感覚が戻るのに時間が掛かってしまうので、少しずつ始めるのが良いでしょう。
クロスフィットBOXでは子どもを一緒に連れてきたり、クラスではなくパーソナル・トレーニングに変えて、子どもをウエイト代わりにスクワットをしている人もいます。
子どもがキッズ・クラスに入れる年齢(5歳くらい)になれば、子どももクロスフィットを楽しむことができるので、コーチと相談してみてください。
目指すのは女性のフィットネス習慣に寄り添うこと
女性のライフステージで変わる環境の中でフィットネス習慣を途切れさせないためには、続けること・コーチに相談すること・家族みんなで楽しむことが大切です。日本のクロスフィットは、まだ数少ない女性コーチだからこそ、これからも女性のフィットネス習慣に寄り添えるような提案をしていきたいと思っています。
ASAMI Profile
フィットネス(クロスフィット)トレーナー。オーストラリアでクロスフィットに出合い、しっかりと筋肉を付けた動ける体作り、強くてポジティブな幅広い世代の女性たちや世界観に魅了され、日本でもっとたくさんの人にクロスフィットを伝え、フィットネス習慣を付けてもらいたいと思いトレーナーに転身。現在、関東のクロスフィットBOXを中心にトレーナーとして活動中。「WELEDA」や「Sonomama」のアンバサダーも務める。
Instagram: @asami_fitness