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豪州英語のスラングを取り入れた言葉/オーストラリア弁(新方言)を探せ 第14回

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 豪州に住んでいると、どうしても母国語の日本語さえ英語に影響されてきてしまう。それも、一般的な英語の言葉だけでなく、地元オーストラリアならではの独特の英語のスラングまで日本語に取り入れている人がかなり多いようだ。

 例えば、「モジー」。蚊は英語では一般的に「Mosquito(モスキート)」だが、オーストラリア人はこれを「mozzie(モジー)」と呼ぶ。蚊の多いQLD州などでは特に、こういった生活に密着した言葉は浸透しやすい。「夕方はモジーが多い」「モジーに刺された」など、「蚊」というたった1つの音の単語でさえ、わざわざもっと長い3拍の言葉に置き換えてしまうのである。

 豪州のスーパーマーケット、「Woolworths(ウールワース)」を地元オーストラリア人が略して「Woolies(ウリーズ)」と呼んでいるのを日本語化して、「ウーリー」と呼んでいる人も多い。このケースでは、英語の言葉をそのまま取り入れるのではなく、英語より「ウ」をやや長めにして、更に最後の「S」に当たる音を取り除いている。「ウ」が長音になるのは、ウールワースの「ウー」の語感に引きずられているからだろうか。また、英語をカタカナにして日本語化する時に、最後の「S」を取ってしまうケースは多い。





 車の登録、レジストレーションのことを、オーストラリア人は「rego(レジョ)」と呼ぶ。この単語を日本語に取り入れているケースには2通りのパターンがあり、「レジョ」と英語のスラングをそのまま取り入れている人もいれば、レジストレーションを縮めた「レジ」という言い方をする人もいる。日本では一般的になっていないカタカナ言葉を取り入れる場合、このように表現がゆれてしまうこともあるようだ。

 キャンディーを意味する「lollies(ロリーズ)」にも表現のゆれが見られ、「ローリー」または「ロリー」となる。ビスケット(クッキーをオーストラリア人はこう呼ぶ)を略したスラング、「bickies」は「s」の音をとって「ビッキー」になり、仕事を病気で休むことを意味する「sickie」は「シッキー」となる。「University(大学)」の略語、「Uni」は「ユニ」、野菜は「veggies」の「s」の音をとって「ベジ」、みんなが大好きなバーベキューの略語「barbie」は「バービー」である。

 また、オーストラリア第3の都市、ブリスベンのことを「ブリジー」と呼ぶ人もいるようだ。こちらもオーストラリア人が使う略称「Brissie」をそのまま取り入れている。

プロフィル

ランス陽子

フォトグラファー/ライター、博士(美術)。現在、グリフィス大学の大学院でオーストラリアの日本人コミュニティーにおける日本語変種を研究中。ゴールドコーストでの調査を手始めに、今後はオーストラリア各地での調査を予定している。在豪日本人が使用している面白い言葉についての情報を募集中。情報やメッセージはFBコメント欄かFBメッセージまで。「オーストラリア弁を探せ!プロジェクト」
(Web:www.facebook.com/JapaneseVariationInAUS

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