偏頭痛予防薬が医薬品給付制度対象に

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月$1,000の薬が$41.30や$6.60に

 偏頭痛予防薬のEmgalityが、医薬品給付制度(PBS)に登録された。

 5月12日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 偏頭痛は人によって、頭の右または左の激しい痛み、嘔吐、光や音の刺激への過敏その他様々な症状があり、症状を引き起こす原因も赤ワイン、柑橘、チョコレート、カフェイン、寝不足など様々で、たまに起きる人もいれば頻繁に起きる人もいる。症状は脳の血管の膨張収縮に関わっているといわれる。患者は25歳から45歳の女性の約半数が偏頭痛を経験しているといわれており、また、患者は男性より女性の方が多い。人口2,500万のオーストラリアで490万人ほどが偏頭痛持ちとされており、偏頭痛に悩む人には大きな朗報となる。

 5月11日の予算案発表でジョッシュ・フライデンバーグ財相が、この偏頭痛予防薬をPBSに登録したと発表したもので、人によっては月$1,000かかるEmgalityが、1回の処方箋で$41.30、年金受給者などのコンセッション・カード保持者では$6.60の支払いで済むようになる。

 ただし、偏頭痛患者団体のMigraine Australiaでは、Emgality処方条件が広範囲であり、Emgalityの恩恵を受けられる患者は少数に限られるだろうとしている。

 同団体創設メンバーのラファエラ・クロスビー氏は、「正しい方向に踏み出したと評価できるが、まだまだ手直しすべきところは多い。一つを登録したのなら他の薬も登録することに抵抗はないと思う」と語っている。

 Emgalityは成人の偏頭痛を予防する薬で月に1回自分で注射するだけで済む。

 Emgality処方の条件として、患者が慢性偏頭痛の定義を満たすこと、過去に3種の医薬で効果がなかったこと、神経医の観察を受け、またPBSで(偏頭痛治療の)botoxの投薬を受けていないことなどがあり、クロスビー氏は、「散発的な偏頭痛と慢性的な偏頭痛の定義の違いなど無意味であり、誰かがある時にたまたま決めただけの思いつきに過ぎず、臨床的な意味はない」として、処方条件の変更を要求している。
■ソース
Migraine prevention drug Emgality added to Pharmaceutical Benefits Scheme in budget

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