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マヌス島収容の難民、ジュネーブで人権賞受賞

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スーダン出身者、収容所からの不撓不屈の発言に

 スーダン出身でパプア・ニューギニアのマヌス島にあるオーストラリア領外難民収容センターに収容されている難民が収容所の中からインターネットに投稿したり、メディアに向けて収容所の実態を明らかにするなどの行動を5年にわたって続けてきた。その行動が評価され、スイスのジュネーブにおいて人権賞を受賞した。ただし、PNGの裁判所がこの収容センターを違憲と判決し、難民は他の宿舎に移されたが、オーストラリア政府の処置により、どこにも定住できない状態にある。

 25歳のアブドゥル・アジズ・ムハマト氏は、「ジュネーブから再びマヌス島に戻る」と発言している。

 ムハマト氏は十代の時にスーダンから逃れ、2013年、20歳でマヌス島に送られた。その後、収容所では脚を射たれて負傷するなどの被害を受けながら、収容センターの難民認定希望者を代表して発言を続けてきた。

 その行動に対して、人権守護者マーティン・エナルス賞が贈られることになり、スイスのジュネーブでの授与式のために期間限定のスイス査証が交付され、2週間の予定でジュネーブに渡った。

 涙を浮かべて受賞の辞を述べる25歳のアブドゥル・アジズ・ムハマト氏は、「全ての者がお前は犯罪者だと指弾し、全ての者がお前は間違いを犯したと非難し、なぜこの国に来たのだ、お前には収容所がふさわしいと訊いてくるような土地に監禁されて生きることはつらいことだ。しかし、自分はマヌス島に収容されている全ての者の人権のために立ち上がり、戦う道を選んだ」と語った。

 また、「スーダンでは人々が肉体的な拷問を受けており、自分が死ぬ運命にあるということをはっきりと認識する。しかし、マヌス島での状況で最悪なのは、人々が心理的に精神的に毎日拷問を受け続けていることだ。それが常につきまとい、毎日の生活にのしかかってくる。この賞を世界中のすべての難民と難民希望者に捧げたい」と述べた。

 人権守護者マーティン・エナルス賞は、人権団体10団体の審査で決められ、危険を冒して、人権推進と擁護のために献身した個人に贈られる。
■ソース
Manus Island refugee flown to Geneva to receive human rights award

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