減税も連続利下げも焼け石に水
オーストラリア経済は個人あたりで既に不況に入っていると報道され、続いて小売り部門が不況に入ったと伝えられていたが、消費者信頼感はじりじりと下がり続けており、保守連合政権が選挙前から公約していた減税立法も中銀の2か月連続金利引き下げも焼け石に水で消費者信頼感が過去2年で最低の水準になっている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ウェストパック=メルボルン・インスティチュートの消費者調査で消費者心情が4.1%低下して悲観側に入った。
この数字も6月全体では100.7でわずかに楽観側にあったが、6月第1火曜日の利下げ直後の消費者調査では経済に対してかなり悲観的な気分が漂っていた。
1,200人を対象に実施した7月調査では利下げを利用しようという気分よりも利下げが経済悪化を示しているという気分が強くなっていた。
ウェストパックのマシュー・ハッサン氏は、「7月の利下げと減税法案成立で消費者信頼感が改善されなければならないのにそうはならずにさらに落ち込んでいるというのは気遣わしいことだ」と語っている。
また、シドニーとメルボルンでは住宅市場の低下が止まって安定化し、また米中貿易戦争も休戦に入るなど消費者にとっては明るい話題のはずだったが消費者はこれにも反応していない。ハッサン氏は、「このような良好な条件にもかかわらず国内消費者信頼感は下がり続けている」と語っている。
ハッサン氏はその原因として、オーストラリア経済の見通しに不安を感じており、また将来の雇用にも不安を感じており、家計の不安定さも追い打ちをかけている。
■ソース
Consumers most pessimistic in two years, despite tax and interest rate cuts