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NSW州議会妊娠中絶合法化法案の審議開始

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マコーリー・ストリートは支持派反対派市民が対立

 NSW州議会で妊娠中絶合法化法案の審議が始まっているが、シドニー市内マコーリー・ストリートの議事堂前の歩道には法案支持派、反対派が集まり、一時は険悪な状況になったため、警察官が間に入って双方を隔てなければならなくなった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 8月6日午後から法案審議がはじまることになっていて、議会前の歩道には宗教系の反対派が前夜から陣取り、さらに朝から双方のデモ隊が集まり、プラカードを掲げ、スローガンを唱えた。また、一部で小競り合いもあったと伝えられているが、警察は双方に警告し、間に入って隔てる以外のことはしていない。

 議会内反対派のケビン・コノリー・リバーストン選出自由党議員は、「合法化法案が通れば、妊娠後期の中絶が増える。胎児が成長してからの中絶には一般社会も反対だろう」と発言したが、この意見はすでに法案支持派の医師が否定している。

 この法案は、アレックス・グリニッジ無所属議員が提出した法案で、119年に及ぶ刑法の妊娠中絶禁止条項を廃止し、新たに法制を組み直すというもので、2人の医師の承認があれば妊娠22週間でも中絶を認めるという条項がある。妊娠中絶を刑法で禁止している州、準州はNSW州以外には存在しない。

 法案は、緑の党、労働党ではほとんどの議員の支持を受けており、党議拘束を外した自由党では意見が分かれており、グラディス・ベレジクリアン内閣でも6人の閣僚が法案に反対している。

 審議で最初に発言したブラッド・ハザード保健相は、「この法案は、NSW州民の過半数の考えに沿ったものだろう。119年にわたる間違いを正す機会だ。これまで誰も改定しようという勇気を持たず、女性の権利を刑法の犯罪にしてきた。この法律ができた当時の議員はすべて男だった」と発言した。

また、オーストラリア・ニュージーランド産婦人科学会のビジェイ・ローチ会長は、「妊娠中絶は刑法の問題ではない。妊娠中絶は同情、敬意、医療の問題であり、中絶施術は医療の一つだ」と語っている。
■ソース
Abortion bill sparks heated clashes as NSW Parliament starts debate

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