内政干渉やサイバー・ハックの背後的存在
10月11日、ピーター・ダットン内務相は、オーストラリア国内で中国系団体の内政干渉や度重なるサイバー・ハッキングの背後に中国政府の存在を突き止め、挑戦すると誓った。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ダットン内務相はスコット・モリソン保守連合政権内では自由党最右派に属するが有力者の一人であり、政府の中心に近い閣僚が外国政府を名指しで非難することは非常に珍しい。
ダットン内務相は、「我々は中国国民ともオーストラリア国内の中国系国民とも何の問題もない。我々にとって問題なのは中国の共産党政権であり、その政策はオーストラリアの価値観とはなじまない」と発言している。
さらに、「内閣、高級官僚、情報機関専門家も自分と同じ懸念を抱えている。オーストラリアは中国と重要な貿易関係を築いているが、大学の学生が中国政府の不当な影響を受けることを看過できない。また、知的財産の窃盗も看過できず、政府省庁や非政府系団体がインターネットを通じてハックされることを看過できない」としている。
ただし、2019年5月の連邦選挙に先だってキャンベラの連邦議事堂のコンピュータに何者かがサイバー・アタックした事件について、スコット・モリソン首相は、その背後に中国政府の存在があるかどうかの言明を避けていたが、その後の調べで中国政府が関与していたことが示されている。
ダットン大臣は、「政府は大学キャンパスの自由を望んでおり、自由な考えを望んでいる。また、若い学生達が互いに競い合えることを望んでおり、その大学内に外国勢力の干渉が及ぶことを望んでいない。また、我が国の知的財産の窃盗を望んでいない。この警告をしっかりと記憶してもらいたい」と語っている。
■ソース
Peter Dutton vows to ‘call out’ China over foreign interference and cyber hacks