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ブルガリアで勾留中のオーストラリア人釈放される

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仮釈放・入管収容所拘留・保釈・出国禁止のまま

 オーストラリア人のジョック・パルフリーマン氏は、ブルガリアの首都ソフィアでケンカの相手を刺殺したとして殺人罪1件と殺人未遂罪1件で有罪判決を受け、懲役20年のうち、11年を終えたところで仮釈放を受けた。しかし、出国は許されず、入出国管理局収容所に収監されたままになっていた。

 10月16日付ABC放送(電子版)は、パルフリーマン氏の保釈が認められ、収容所からは解放されたが、ブルガリアからの出国は許されず、パルフリーマン氏は友人宅に身を寄せていることを伝えた。

 パルフリーマン氏は事件直後から、「2人のロマ(ジプシー)が若者グループに暴行されていたため、助けに入ったところ、若者グループは今度は私に向かって暴力をふるってきたため、持っていたナイフで刺したが、正当防衛だった」と主張していた。

 しかし、被害者の当時医学生だったアンドレイ・モノフ氏(当時20)の父親は元ブルガリア国会議員で今も国内に影響力があり、また、ブルガリアでは国粋主義者の勢力が伸びており、パルフリーマン氏の事件も国粋主義グループの宣伝に使われ、ブルガリア検察庁が、パルフリーマン氏の仮釈放を取り消しと再審を求めるという異常事態が起きている。

 パルフリーマン氏の保釈で、処遇を決める裁判が前倒しにされることが発表されているが、同氏の仮釈放に先立ってオーストラリア政府が発行した旅券は、10月15日の入管収容所からの保釈の前に40人の警察官が同氏の房に入り込んで室内をくまなく捜索し、この旅券を押収していったと伝えられている。

 ブルガリア極右団体はパルフリーマン氏を脅迫するような運動を続けているが、記者会見に臨んだパルフリーマン氏は、「11年間オーストラリア政府からはほとんど支援がなかったが、大勢のブルガリア人が支援してくれた。保釈された後、どこに寝泊まりするかはまだ決まっていないが、ブルガリアの人々に守られており、身の危険は感じていない」と語っている。

 最近になって、パルフリーマン氏の弁護士が2007年の事件当時の防犯ビデオを提出している。このビデオにはパルフリーマン氏が数人の若者に襲われている場面が映っており、今後の法廷でパルフリーマン氏に有利な証拠になると期待されている。

 ブルガリアには、仮釈放を受けた人物を入管収容所に収監し、検察庁が仮釈放の取り消しを求めて争う法律はないと伝えられている。
■ソース
Jock Palfreeman released from Bulgarian detention centre after being granted parole

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