グループで100機以上発注
制服のリニューアル計画を発表したオーストラリアのカンタス航空。相次ぐ不祥事で失墜した企業イメージの回復に努めながら、古くなった機材の大量刷新も進めている。グループ全体で既に発注した新機材の数は、100機以上にのぼるという。
このうちワイドボディー機(通路2本の大型機)では、新たなフラッグシップ機「エアバスA350-1000ULR」(URLはUltra Long Range=超長距離の略)を2026年中頃に12機受領する。これはA350シリーズの中でも最も胴体が長い1000型をベースに、超長距離仕様として開発した新型機だ。
カンタスのA350-1000ULRは、定期航路としては世界最長となるシドニー・ロンドン間と、シドニー・ニューヨーク間をそれぞれ直行便で結ぶ。いずれも距離が長すぎるため、現状では給油のための途中寄港が必要だが、同機の導入によりノンストップ運航が可能になる。28年度からは航続距離がやや短い「A350-1000LR」12機も追加し、ULRとLRの合計24機体制で運用する。
カンタスのフラッグシップ機は現在、最大約800人(全席エコノミーの場合)を運べる2階建ての超大型機「エアバスA380」で、合計10機を運用している。しかし、4発のエンジンを積むA380は燃料を多く消費することから32年度から順次退役させ、燃費に優れた双発機のA350に置き換える。
加えて、ワイドボディー機の「ボーイング787ドリームライナー」も27年度以降に追加で12機調達し、北米や欧州の長距離路線に投入する。ワイドボディーの主力機として活躍してきた「エアバスA330」を代替する。
また、主に国内の中・短距離路線を担うナローボディー機(通路1本の中小型機)の「エアバスA321XLR」28機も新たに導入する。今年4月以降、「ボーイング737」を交代させていく。
一方、地方路線部門「カンタス・リンク」では、既に主力小型機「ボーイング717」から「エアバスA220」への移行を始めている。最終的には29機のA220を運用する計画だ。
■ソース