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NSW州保健相、オミクロン亜系統BA.2に警報

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オミクロンより強い感染力、毒性はまだ不明

 3月10日付ABC放送(電子版)は、NSW州政府のブラッド・ハザード保健相が、現在、NSW州では従来のコロナウイルス・オミクロン株の亜系統BA.2が徐々に主流化しつつあると発表、従来のオミクロン株よりも感染力が強い懸念があると語ったことを伝えている。

 3月10日発表のNSW州のコロナウイルス新陽性者数が1月以来最悪の16,288人になっており、ハザード大臣は、「オミクロン株亜系統BA.2の感染者が急増しており、今後6週間もすれば毎日の陽性者数が現在の2倍を超えることもあり得る」と語った。

 海外でもデンマークの研究所、Statens Serum Institut (SSI)によれば、デンマーク、イギリス、ノルウェー、スエーデンなどで亜系統BA.2の感染者が急増している。

 BA.2は、最初のオミクロン株と比べて32箇所の変異が共通しているが28箇所が異なっている。また、オミクロンには数種の亜系統があり、オーストラリアでも海外でも主流になっているのはBA.1だった。しかし、NSW大学の研究によると、Nextstrain clade 21Lの別名で知られるBA.2は最近になってNSW州の感染の主流になっている。この2つの亜系統はアミノ酸やタンパク質などのゲノム・シーケンスが異なっている。世界保健機関(WHO)によると、これまでの研究ではBA.2はBA.1よりも感染力が強いとされている。NSW大学人口研究所のジェームズ・ウッド准教授は、BA.2は従来のオミクロン株に比べて25%感染力が強いとしている。

 NSW州政府のマリアンヌ・ゲール副主席医務官は、「新しい株が主流になるためには感染力が強いか、またはワクチンや免疫反応をかいくぐることができなければならない。BA.2がそういう新種になっている」と語っている。

 ただし、BA.1とBA.2を比較した場合、後者の方が感染力は強いが、南アフリカ、イギリス、デンマークなどの感染データから判断して毒性には違いが見られない。ウッド博士も、「BA.2の症状がBA.1より重いという証拠は全く見当たらない。デンマークで死亡率の急増は見られない。入院やICU収容で増加が予想できるが、ブースター接種のおかげで重症化が防げているようだ」と語っている。

 ゲール副主席医務官は、「BA.2とそれ以前の株と比較して重症化度の違いはまだ未知数だ」と語っている。
■ソース
Here’s what we know about the Omicron sub-variant BA.2

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