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オーストラリア・ワーホリを成功させるために事前に準備すべきこと─ビザ・コンサルタントが解説⑤

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第5回目:ワーキング・ホリデーを有益な滞在にするには?

 皆様、こんにちは。東京でオセアニア・ビザ・コンサルティング事業を運営している、AOMビザコンサルティング代表・足利弥生と申します。

 日本は早くから猛暑の兆しとなり、6月ごろから気温はまさに真夏になっていますが、半面豪雨も多く、年々気候変動を痛感するところです。

 オーストラリアは7月1日から新会計年度となり、ビザ関連もさまざまな法改正がありました。特に今回衝撃的だったのは学生ビザへの規制です。オーストラリアは留学誘致に積極的な国ではありますが、「真意に就学目的の人」を誘致することにフォーカスし、気軽にオーストラリアに観光で訪問した後にオーストラリア国内で学生ビザ申請をすることが不可能となったことがポイントです。ワーキング・ホリデーを検討する人は留学と比較検討する人も多いと思いますが、学生ビザの申請料金が1600ドルと更に高額となり、この金額から特に英語習得目的の就学であれば、ワーキング・ホリデーでも4カ月まで就学可能のため、学生ビザよりもワーキング・ホリデーを検討する人が多くなると予測しています。

 日本のメディアでは最近、特にワーキング・ホリデーについて多く取り上げられるようになりました。残念ながら「給与が高いので出稼ぎに行く若者が急増」「ワーキング・ホリデーとして渡航しても仕事がない」「居住場所がない」などネガティブな内容が多く見られます。

 ワーキング・ホリデー制度は今に始まった制度ではなく、1980年から存在しており、時代を経て30歳までの若者が多く利用してきたビザとなります。しかし、なぜ現在こうした状況になってしまっているのか、何が昔と違うのか、その点を冷静に見つめ直すことも必要と感じています。

 私自身も経験者ということもふまえ、考慮したら良いのではないかというポイントを幾つか挙げてみたいと思います

①日本での情報収集及び滞在プランと帰国後のプランを書き出す

 SNSなどインターネットを通じて多くの情報収集ができる現代、留学エージェントなどを通じてワーキング・ホリデーのサポートを提供している企業もたくさんあります。それらを活用することも1つですが、何よりも自分自身でワーキング・ホリデーの目的、どのくらい滞在して何をするか、何を達成したいかなど自己プランを計画的に立てることが本当に大切だと思います。

 書き出すことで多くの課題を見つけることができ、そのためには何をすべきかの「To DOリスト」も作成できます。まさに留学に行く時の準備と同じステップになります。

 そしてもう1つ大切なのは、行く前に「帰国後」どうするか、ということも考えることです。ワーキング・ホリデーは「1年」の期限があり、その後セカンド・ワーキング・ホリデーやサード・ワーキング・ホリデーもありますが、特に延長を検討していない人は日本に帰国後、「どんなキャリアにしたいか」など、オーストラリア滞在後のプランを考えることが大切です。

 ワーキング・ホリデーで達成したことをその後につなげたい、と考える人が多いと思いますので、英語力向上、バリスタで腕を磨いてカフェ業界で働きたい、オーストラリアで観光関係の仕事を体験し、その後観光業に就きたい、などいろいろあると思います。そうした帰国後のキャリアを描くことで、ワーキング・ホリデーで何をすべきか、ということが見えてくるでしょう。リストアップしたり、プランを書いてみたりすることで、より具体的な内容が見えてくる効果もあります。

②英語力の向上

 大前提としてまず理解しておく必要があるのは、オーストラリアは英語圏であること、そして、日本とは全く異なる多人種国家であるという点です。他国と比較してもオーストラリアの日本人人口は約10万人と世界第3位という多さになりますが、英語力によってワーキング・ホリデー滞在の充実度が変わってくることは間違いありません。

 現在ワーキング・ホリデー・ビザでは4カ月まで就学することが可能です。そのため、大半の日本人は「渡航後」に語学学校で就学することが多いと思いますが、渡航前から準備段階として英語力の向上に取り組むのがより充実した滞在への道でもあります。

 また、忘れてはならないのが、ワーキング・ホリデーは40カ国以上と協定しており、世界中からイギリス人を含め英語力の高い若者がオーストラリアに訪問します。そのため、語学力の差は仕事を獲得する上でも非常に重要なポイントとなります。事前準備した人の方が、滞在中に効率良く仕事を見つけることができると思います。日本人のワーキング・ホリデー・メーカーは日本食レストランやカフェ、美容師、観光業などで仕事をするのが多い印象ですが、雇用主が日本人でもお客様はオーストラリア人のことが多いため、英語力習得は大きな課題となります。

 語学学校に通学することもよい効果になると思います。英語の習得はもちろんですが、学校で友人関係を築き、そのネットーワークやそこから得られる情報などを滞在中、大いに生かすことができるきっかけがたくさんあると思います。

 また、以前にも少しお話しましたが、ワーキング・ホリデーに出発する前に、ニセコや白馬など、英語を多く話す環境で英語を使うアルバイト体験してから、オーストラリアへワーキング・ホリデーに行く人もいました。こうした方法も1つです。

③仕事探し

 最大のハードルになると思われるのが仕事探しです。どんな仕事に就くかにもよりますが、日本から出発前に情報収集することはもちろん、今はオンラインで面接を受けることが可能なため、他国からの若者の大半はそうした活動を経て入国しているという印象です。以前にも紹介しましたがオーストラリア政府観光局ホームページにはより具体的な仕事探しに関する情報が提供されているので、それを参考にするのも良いでしょう。直接求人情報などを確認するなど、事前準備をすることが仕事獲得成功への道につながると思います。

 現地入国後、更に具体的な情報収集が可能となるので、まずは希望する業界や会社など、さまざまなツールで情報を収集することが必要です。オーストラリアは、労働法に基づき明確に雇用契約に関することの規定があるため、採用されることになった場合は、その説明や規定も確認した上で契約することが大切です。

 現在はSNSによるものなど多種多様な求人を含めると膨大な情報があります。その中で適切なものを見つけるのは、難しい部分もありますが、広告的なことにまどわされず、見極める力も時に必要となります。

 特に最近は、医療系に従事したい看護師を中心に仕事の紹介や必要な資格取得を提供する留学エージェントもあります。これまでの自身のキャリアが明確で、そのキャリアを更にオーストラリアで構築したいという明確な目標があれば、そういったエージェントを活用することも自己実現に向かう1つの方法だと思います。

 重要なのは何のために現地に行き、仕事を希望する人は何をすることを目標にしているのか、そのためにはどうするべきか、1つずつプランを考え調査するが必要があるということです。

 昔と大きく異なるのは、渡航前からあらゆる情報収集がインターネットを通じてできるようになったことです。事前準備を着実にしている人がワーキング・ホリデー滞在の成功につながっていると感じます。

④仲間作り

 ワーキング・ホリデーでは、さまざまな理由で各都市から来ている人たちと出会うため、仲間作りも重要だと思います。日本では出会わないような人たちも多く、同じ目的や似たような業界を目指す人たちの日本人コミュニティーも大切です。現地でリアルな情報交換をしたり、純粋に友人作りや一緒に旅行をしたりするなど、積極的に人と出会うこともワーキング・ホリデーを充実させる1つの方法ではないでしょうか。

⑤十分貯金してから渡航する

 かつてオーストラリアは日本よりも物価が安い時代がありましたが、今は全く正反対です。特に昨今円安がどんどん進み、日本とは比べものにならないほど物価が高い国になりました。そのため、まずは「仕事をしなくても生活できるだけの費用」を貯金することが重要です。

 オーストラリアは、留学生として来た人たちでさえ滞在場所を見つけるのに苦労するくらい家賃が高騰しています。ワーキング・ホリデーで行く際も同じ状況となるため、「オーストラリアに到着したが、家賃が高すぎて住む場所がない」ということになりかねないため、資金を準備し、仕事がすぐに見つけられなくても生活できるような体制を取ることが重要です。

 これは①のプランニングのうちでも重要な課題です。中にはエージェントなどを通じて初めの数週間や数カ月の滞在場所をアレンジする人もいます。ワーキング・ホリデーを考えているのであれば、十分な資金を準備することが大切です。

 ワーキング・ホリデーは「自由な1年」という時間になります。1から自分で描いて行動してみる、ということが求められるため、「何も考えずとりあえずオーストラリアへ」ということになると滞在も「とりあえず1年」という結果になってしまうでしょう。「せっかくオーストラリアに来たのに描いていた世界と全く違う。こんなはずではなかった」とならないためには、いかに準備が大切か、という点を知り、ぜひチャレンジして欲しいと願います。

(出典:オーストラリア政府観光局)

AOM Visa Consulting

足利弥生
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■Tel: +81-3-4540-6305
■Web: https://aom-visa.com
■Email: info@aom-visa.com
■営業時間: 月〜金 9AM〜5:30PM(日本時間)

プロフ部分は前回を流用してください。

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