一年の計は元旦にあり─新春を華やかに彩る奉納花/花のある生活 – flower in life – 第59回

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新春を華やかに彩る奉納花。313年の歴史ある兵庫県西宮の酒蔵・大関の酒樽と共に新たな年の幸福と繁栄を願い、新年を寿(ことほ)ぎます

 新年明けましておめでとうございます。

 今年の干支は巳年。ヘビは再生や復活、金運や繁栄の象徴ともされており日本に限らず世界中の文化や宗教でさまざまな象徴として扱われています。神のお遣いとも言われて神聖な存在とされているようなので、心願成就を込めて今年の初詣は念入りにお参りさせて頂こうと思います。

 新年を迎えられたことへの感謝の気持ちをお伝えするために、新春花の「いけばな」を神社に奉納しました。自然の恵みである花や植物を通じて感謝の意を示すことは、日本文化における自然崇拝や神道の精神と深く結びついています。また花の美しさは参拝者の心を和ませたり、植物の持つ生命力によって活力や繁栄を願う意味も込められています。

 生まれた歳の干支が巡ってくると「年男・年女」と呼ばれることがあります。この年回りの人が節分の豆まきをしている光景を見ることがあり、これには年神様と縁の深い存在として考えられているため、豆まきを担うことが習わしだったことから始まっているようです。私の息子も今年は年男となり、月日の流れを思い感慨深くなります。

 近年、1年があっという間に感じます。私が子どものころは新しい体験や学びが多く、1日1日が印象深いものとなり、時間が長く感じられたのかもしれないですが、大人になると経験が増えていき新鮮さが少なくなっていきます。ルーティン化した日常は安定した生活の基盤となりますが、新しいことに挑戦したり、充実感を得る行動を心掛けることで、その感覚を変えることができるかもしれません。

 「一年の計は元旦にあり」ということわざの通り、年の始まりは心を新たにし、物事を始めるのにふさわしい特別な日です。お屠蘇(とそ)を頂きながら、初詣に出掛けて神仏に感謝を捧げると共に、新しいスタートをしっかりと整え、1年を充実したものにしていきましょう。

 本年が成功と実り多き1年となりますようお祈り申し上げます。

このコラムの著者

多田玲秋(Tada Reishu)

いけばな作家
Web: https://www.7elements.me/

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