オーストラリアでは小学生は1人で通学しちゃダメ?/オーストラリア教育あれこれ

SHARE

Q: 小学校5年生になる子どもを連れて来豪しました。子どもは結構しっかりしているし、学校まで10分くらいなので、慣れたら1人で通学させたいと思うのですが、小学生のうちはいけないという話も聞きます。ルールなどはあるのでしょうか?

 学校では、キンディーからイヤー10まで「PDHPE(Personal Development, Health and Physical Education=日本の保健体育に当たる)」のカリキュラムの中で教えられています。また、Transport for NSW(NSW州交通局)では、通学時は8歳未満のお子さんの手を握ること、そして10歳までのお子さんをしっかり監視することが推奨しています。たとえご自分のお子さんがしっかりしていると思っても、予測不可能な事態にどれだけうまく対応できるかを考えると、高学年やハイスクール生になったとしても、よく話し合った上で判断することが大切です。

 お子さんにもよりますが、高学年になったくらいから親なしで学校へ通いたいと思うようになります。その時に備え、時々ご家庭でお子さんがどれくらい安全について認識しているか、以下の点について確認してみましょう。

・安全な通学ルートを選んでいるか
・道路交通ルール(標識など)や学校の規則を知っているか、また従っているか

 小さいお子さんとは、ゲームやクイズなどで標識の意味などを理解させるのも良いですね。

 また、お子さんの性格や行動などから推測される潜在的な危険性について話し合っておくことも大切です。

 通学において多くのお子さんが保護者の運転する車で通学していると思います。保護者の方々も以下のような交通ルールや学校周辺での交通マナーをもう1度確認しましょう。

・4~7歳まで、身長が145センチメートル以下のお子さんにはチャイルド・シートまたはブースターを使用
・スクール・ゾーンは時速40キロで走行し、学校側の歩道に沿って停める。学校の外で違法な二重駐車、Uターンや三点ターンはしない

 最後に自転車やキック・ボード(オーストラリアで言うスクーター)で通学する場合ですが、交通ルールを理解していることを前提に、10歳までは保護者が厳重に監視しなければなりません。16歳以下は歩道を走ることが許されていますが、保護者が同行しましょう。

 その際、気が散るようなスマホや電子機器の使用は最小限に抑え、バッグに入れること。そして、自転車などは定期的に点検し、乗車時は必ずヘルメットを着用するようにしましょう。

 以上を踏まえた上で、お子さんを1人で通学させるかどうかは保護者の判断に任せられます。

■参考サイト Web: https://education.nsw.gov.au/schooling/parents-and-carers/s

このコラムの著者

内野 尚子

1996年来豪。デイケア、プリスクールにて教師、authorised supervisorとして12年間従事。平行して2004年、同志とNSW州補習校を立ち上げ、代表兼教師として8年間運営に携わる。07年、Universal KIDS設立し、18年間で2歳から18歳までの児童約1500人を教授する。24年12月を以て教室での対面レッスンを終了したが、25年以降はオンライン教育相談は継続中。コロナ禍においては、保護者のためのオンライン・スクールを開設し、子育てをサポート。
Web: https://www.facebook.com/universalkids.com.au





SHARE
学び / 留学の最新記事
関連記事一覧
Google Adsense