豪州ビザ最新事情
留学生の渡航制限
COVID-19ワクチンの接種率が高まる中、海外に留まる留学生の入国再開が検討されています。
オーストラリア政府の方針に基づき、州・準州政府が教育機関と協議しながら州・準州ごとの留学生入国計画が立てられており、例えば、NSW州においては試験的計画としてインドネシア、シンガポール、ベトナム、韓国、中国、カナダなどを含む15カ国から250人ほど、その後、第2陣として南アジアやインドからの留学生を呼び戻すとしています。
NSW州以外についても、同じような計画がなされるようですが、海外に留まる留学生とは、コロナ禍によって出国を余儀なくされた、または、休暇を終えて再入国ができずにいる留学生で、かつ、例えば医療系や博士号を就学している大学生やYear11または12を就学している高校生など特定の状況下にある学生を対象としているようです。
州・準州政府が教育機関との話し合いによって呼び戻す留学生を選考し、教育機関から留学生に連絡が行くことになるようで、現在、一時滞在者が入国する上で必要とされている渡航制限免除の取得は、州・準州政府が代行してくれることとなるようです。
オーストラリア国籍または永住権保持者で、ワクチン接種証明があれば、出入国の免除を得ることなく渡航が可能となり、その場合の再入国時の隔離制限も緩和されることとなりました。
しかし、学生ビザや観光ビザ、ワーキング・ホリデー・ビザなど一時滞在ビザ保持者の入国に際しては、ワクチン接種の有無に限らず、まだ渡航制限免除の取得が必要とされており、余程の事情がない限り一時滞在ビザで渡航制限免除を得ることは難しいとされています。
少しずつ明るい兆しが見えてきているオーストラリアですが、限定的に留学生を再入国させることから始まり、様子を見ながらその後の調整がなされていくこととなるようですので、ワーキング・ホリデー・ビザや観光ビザでの入国が実質可能となり、COVID-19以前のような活気あるオーストラリアに戻るまで、まだ時間が掛かるのかもしれません。
現在のところ、2020年2月1日以降、学生ビザを保持している場合で、コロナ禍の影響によりビザの期限内にコースを修了できなかった場合、就学先の教育機関から認可を得ることで、学生ビザの再申請に掛かるビザ申請料は免除(無料)されることになっています。
アドバイザー
清水 英樹
オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営。