幸せワイン・ガイド@オーストラリア
チーズとワインのおいしい相性
皆さんいかがお過ごしですか? 以前にワインとチョコレートのお話をしましたが、今月は食欲の秋にちなんで、ワインとチーズのお話を。
ワインにさまざまなスタイルやブドウ品種が存在するように、チーズにも豊富な種類があります。そこで今回は、ワインとチーズのおいしい組み合わせをご紹介したいと思います。
ゴート・チーズとソーヴィニヨン・ブラン
酸味と少し青っぽさのあるゴート・チーズにまずお薦めなのは、ソーヴィニヨン・ブランです。ニュージーランド産やオーストラリアのものも良いですが、フランスのロワール地方のものもぜひお試しを。
あるいは辛口でライトなロゼ・ワインでもおいしいですね。桜のように淡い色の辛口のロゼはフランスのプロヴァンス地方のものが特に有名ですが、豪州のロゼも最近はこのスタイルのものがすっかり主流になっています。
パルミジャーノとサンジョヴェーゼ
イタリア料理に多用されるパルミジャーノ、ペコリーノなどのチーズにはトマト料理との相性も良いサンジョヴェーゼを。イタリアのキアンティ・クラッシコに代表される赤ワインのブドウ品種で、オーストラリアでもキング・ヴァレーを中心によく見かけるようになりました。また、同じイタリア系赤ワイン品種のネッビオーロやバルベラも良いでしょう。次回のイタリアン・ディナーの際にはぜひお試しを。
ブルー・チーズとデザート・ワイン
ゴルゴンゾーラに蜂蜜をかけたピザはお好きですか? 意外にもブルー・チーズは濃厚なデザート・ワインととても相性が良いのです。ラザグレン・マスカット、貴腐ワイン、あるいは甘口のポートやシェリーを合わせてみましょう。
何でも合わせやすいハード・チーズ
チェダー、ゴーダ、グリュイエールなどは、比較的何とでも合わせやすい種類のチーズです。赤ワインならメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ、白ならまろやかなシャルドネ、ルーサンヌ、ヴィオニエなどはいかがでしょう。スペインの羊のチーズ、マンチェゴにはぜひスペイン品種のテンプラニーリョを合わせてみてください。
白かびソフト・チーズとピノ・ノワール
白かびで覆われた柔らかなカマンベールやブリーなどのソフト・チーズにはピノ・ノワールやガメイ、グルナッシュなど軽めの赤を。白ならシャルドネ、シャンパーニュやスパークリング・ワインとも相性が良いですね。
モッツァレラとピノ・グリージョ
デリケートな味わいのモッツァレラには、同じくデリケートな白ワインがお薦め。ピノ・グリージョやミュスカデ、ハンター・バレーのセミヨンなど、軽やかで優しい味わいのする白ワインを選んでみてください。
ウォッシュド・チーズとスピリッツ
外皮を塩水やその土地の地酒(スピリッツ、ワイン、ビールなど)で洗って熟成させたチーズを、ウォッシュド・チーズと言います。チーズの表面の菌で熟成させるため、匂いが強烈なものも多く上級者向けです。
特に強烈な味わいのものには酒精強化ワインか、ブランデーやバーボン、あるいはイタリアのグラッパなどをロックかニート(水や氷などを加えずストレートで飲むこと)で合わせると良いでしょう。強い味わいのチーズの後でも、強めのアルコールが口内をスッキリとクレンジングしてくれます。
お薦めチーズ:モッツァレラ
Hoddles Creek Pinot Gris(Yarra Valley) $22
Web: www.hoddlescreekestate.com.au
お薦めチーズ:イタリアのハード・チーズ
Coriole Sangiovese(McLaren Vale)$28
Web: www.coriole.com
お薦めチーズ:ブルー・チーズ
De Bortoli Noble One Botrytis Semillon(Riverina)$36/375mL
Web: www.debortoli.com.au
いかがでしたか? もちろん組み合わせに絶対ということはありません。次にチーズやワインを選ぶ時は、いろいろな組み合わせを試して、お気に入りを見つけてみてくださいね。
このコラムの著者
フロスト結子
オーストラリアと日本でワイン業界に携わり10年以上。ワイン卸業社に勤務しながらフリーランスでもワイン専門通訳、翻訳、ライター、市場調査、イベントなど幅広くこなす。私生活ではマラソン・ランナー。世界最大のワイン教育機関WSETの最上位資格、WSET®︎Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。 Web: auswines.blog.jp