豪州ビザ最新事情
コロナ禍での雇用主スポンサー・ビザ
現在、雇用主にスポンサーとなってもらう就労ビザには、482TSS、186ENS、494SESRといったビザがあります。これらのビザは、オーストラリア労働市場において適した人材が見当たらないことを理由に外国人労働者の雇用を可能とするビザで、ビザ申請者の申請を行う上で、雇用主によるスポンサーシップ並びにノミネーションを必要としています。
コロナ禍により、現在オーストラリアの経済復興、そしてオーストラリア国民の健康を守ることが最優先課題とされていることから、ポイント制の技術移住ビザでは招待状の発行部数が激減し、上記のような就労ビザでは審査に掛かる期間が以前と比べると長くなり特に482TSSにおいては5~11カ月掛かるとされています。
このような状況において、オーストラリアの経済復興の担い手として最も必要とする職種を「PMSOL – Priority Migration Skilled Occupation List(優先職種リスト)」として既存の職種リストとは別に設けられることとなりました。上記で挙げた就労ビザの申請において、PMSOL(優先職種リスト)に含まれる職種で申請する場合、優先的に審査されることとなっています。
PMSOLは以下のように18職種あり、Resident Medical OfficerはSTSOL(短期職種リスト)、そして、Maintenance PlannerはROL(地方職種リスト)に含まれる職種ですが、その他全てMLTSSL(中長期職種リスト)に含まれる職種になります。
PMSOL(優先職種リスト)
- Chief Executive or Managing Director
- Construction Project Manager
- Mechanical Engineer
- General Practitioner
- Resident Medical Officer
- Psychiatrist
- Medical Practitioner nec
- Midwife
- Registered Nurse(Aged Care)
- Registered Nurse(Critical Care and Emergency)
- Registered Nurse(Medical)
- Registered Nurse(Mental Health)
- Registered Nurse(Perioperative)
- Registered Nurses nec
- Developer Programmer
- Software Engineer
- Social Worker
- Maintenance Planner
現在、国外からのオーストラリア入国は、一時滞在者の場合、特別な事情がある場合を除いて制限されていますが、上記で挙げた職種で就労ビザを取得する場合には入国制限免除の申請時も考慮されることとなります。
PMSOLはオーストラリア政府と技術委員会がコロナ禍による影響を監視し、適宜見直されることとなっています。
アドバイザー
清水 英樹
オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営