クイーンズランド州の釣り情報 第173回
冬はカマスのおいしい季節!
陸から吹いてくる冷たい西風の日が多くなり、水温が低下して海の中も冬の季節になってきます。この時期の魚は越冬に備えて脂がそこそこ載ってくるのでおいしいものが多いです。水温が低いこの時期は、河口近くのやや水深がある深み、残橋の橋げた付近などに魚が集結していることが多く、引き潮時にはプール状になったような場所が釣りの好ポイントになります。
特にカマスやテイラーなどが群れになって集まっていることが多いので、手軽に狙えるターゲットと言えるでしょう。ルアー・フィッシングで狙う時は、やや小さ目のルアーを小刻みに早めにアクションさせるとよくヒットしてきます。
また、サビキ(「BAIT JIG」と呼ばれる針が5〜6本付いた仕掛け)などキャストしてよくアクションすると食い付いてきます。カマスもテイラーも共に鋭い歯を持っている魚ですので、口の奥にフッキングするとその歯でいとも簡単にラインが切られてしまい、ルアーや仕掛けの消耗も激しくなります。
ただ何匹か釣り上げると魚も警戒して釣れなくなってくるので、ルアーを変えたりサビキの針に餌を付けたりして変化を与えましょう。それでも食ってこなくなったら場所を変えるのがセオリーです。
カマスやテイラーは水分が多い肉質なのでそのまま料理するよりは、肉から水分を出すために軽く塩を振って新聞誌などに包んで冷蔵の中で一晩くらい置いて一夜干し状態にしたり、本格的な干し網などで天日干しにすると絶品です。干し網はアジアン・グローサリーなどで手に入りますが、干す場所や魚を焼く場所を考慮しないとその生臭い魚の匂いで近所からクレームが出るかもしれません。魚を食べ慣れている我々には平気でも、生魚の匂いに敏感な人が多いようです。
QLD州ではテイラーは35センチ以上20匹まで、カマスはサイズ、匹数共に制限はありませんが、乱獲して白い目で見られないようにほどほどに釣ってください。
このコラムの著者
フィッシング・ライター:金園 泰秀
東京のIT関連会社のシドニー駐在中、オーストラリアの大自然に魅せられ役員職のサラリーマンから一転スピンアウトし、子供の頃からの趣味だった釣り
業界の世界に飛び込み、日本の釣り技術の紹介や当地の釣りを全世界に発信してきた。現在は趣味としての釣りやセーリングも楽しんでいる。