QLDバレエ団
合々香と弘平のグランパドドゥ
バレエ・ダンサーの日常をちょっとだけ
QLDバレエ団(QB)の吉田合々香です。今回から、バレエ界の舞台裏などを私目線で感じたままにお伝えしていきますので、読者の皆様に少しでもバレエの世界を身近に感じてもらえたらうれしいです。
通常、各公演2カ月ほどのリハーサルと約2週間の公演期間を繰り返し、年間に約90舞台を行っているQB。1つの作品で複数の役の掛け持ちは当然のダンサーには、日々全く異なる役をきっちり演じ切る集中力が不可欠。公演数日前の劇場での全キャストによる通し稽古などは、午前11時ごろに始まり、途中休憩を挟んで午後10時過ぎまで続く長丁場もざらで、激しく体力を消耗します。公演中は、1日はただ目まぐるしく過ぎていきますが、そんな中でも徹底した自己健康管理がバレエ・ダンサーには求められます。
私は、終演後の就寝時間も遅くなりがちな公演期間中は意識して十分な食事・睡眠を取るよう心掛けています。十分な睡眠時間の確保のために、帰宅後の時間を効率的に使うことが重要です。そのための知恵が、公演期間前の週末に行う食事の“作り置き”。パスタや野菜スープ、マリネしたお肉など疲労状態の筋肉を補うタンパク質と炭水化物、野菜を効率よく摂れるメニューを帰宅後すぐに食べられるよう準備しておくんです。食後はお風呂に浸かり、その日酷使した筋肉をストレッチとマッサージで労いながら、なるたけ日付けが変わらないうちに就寝というのが、私の公演中の生活。プリンシパル・アーティストとして、いつもベストの状態で舞台に臨むため、食事面や体のケアなど、日々、試行錯誤は続きます。
このコラムの著者
吉田合々香(よしだねねか)/QLDバレエ団プリンシパル・アーティスト
金沢市出身。欧州に4年間留学後、2014年QLDバレエ入団のためにブリスベンに移住。平日はバレエ漬け、週末はお菓子作りや居心地の良いカフェでの時間を楽しむ。リラックス方法はおいしい和食を食べ、お風呂に浸かり、アロマを焚いてぐっすり眠ること。好きな映画は『ジュリエットからの手紙』