ビザ
Q
永住ビザを取得してかなり経ちます。父親を数年前に亡くしました。日豪を行き来するのは大変なので、豪州で母の面倒を見たいと思っています。その準備のために何から始めていいのか全く分かりません。母を呼び寄せるにはどうしたらよいのでしょうか。(50代女性=会社員)
A
親呼び寄せのためのビザは、年齢、子どもの数、寄付金付きなどの条件によって種類が分かれています。親ビザのスポンサーとなるには、半分以上の子どもが永住権または市民権を持っている必要があります(ファミリー・バランス・テスト)。もし3人子どもがいて、1人だけ豪州に住んでいる場合は、スポンサーできませんので、ご注意ください。
スポンサーの条件
- ファミリー・バランス・テストの条件を満たしていること
- 18歳以上
- 申請時からさかのぼって2年以上豪州に住んでいること
- 豪州の国籍または永住権を持っていること
親ビザの種類
親ビザには、年齢によって、高齢な親を対象にした①Aged Parent Visaとそれ以外の②Parent Visaがあります。この親呼び寄せビザは、年間のビザ発給数が決まっているので、申請後、自分の順番が来るまで長期間待つことになります。現在の待ち時間はなんと約30年と移民省は言っています。
その長い待ち時間を短縮できるように、上の2つのビザにそれぞれ寄付金付きの③Contributory Aged Parent Visaと④Contributory Parent Visaが2003年より導入されました。現在このカテゴリーでの待ち時間は3年ほどで、寄付金(Contribution)の額は物価上昇率を参考に年々上昇し、現在は4万3,600ドル。分割は認められていないのと寄付金が高額なので、寄付金額が約半額(2万9,130ドル)に設定された2年間のTemporaryビザ(⑤Temporary Contributory Aged Parent Visaと⑥Temporary Contributory Parent Visa)も同時に導入されました。一度に寄付金を払えない場合は、まず一時滞在可能なTemporary Contributory (Aged) Parent Visaを取得し、このビザが切れる前までに、永住のParent Visaを申請する順序となります。その場合も、残りの寄付金を支払う必要があります。
Agedの基準
Agedの基準は、豪州での高齢年金受給年齢で、生まれ年によって65~67歳以上となっています。
保証金とその期限
親ビザ(永住)では、メディケア(国民健康保険)に加入できますが、その他の経済的な保証として、銀行に預金する形で保証金を一定期間積み立てなければなりません。
以上は一般的な説明で、個々に対するアドバイスではありません。詳細は、直接移民局またはビザ・エージェントなどの専門家にお問い合わせください。
*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せ頂いたご相談は、紙面に掲載させて頂く場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。
中澤 英世(なかざわ ひでよ)
Australian Visa & Education
ビザ申請代行業者(登録番号MARN:0213098)。旅行会社、英語学校、大学関連教育会社勤務を経て2002年より豪州政府認定ビザ・エージェントとなる。在豪25年の経験を生かし、留学・起業など幅広く相談に乗っている。