親呼び寄せ(一時滞在)ビザ
2019年4月17日から既存の親呼び寄せビザに加え、「サブクラス870 Sponsored Parent(Temporary)」(以下、870ビザ)という一時滞在型の親呼び寄せビザが正式に導入されることとなりました。
既存の親呼び寄せビザの申請者で、発給数の制限や審査に掛かる期間によって思うようにビザの取得ができなかった人、サブクラス600観光ビザ(スポンサー・ファミリー)が基本的に最大12カ月しか下りないため、それ以上の期間にわたり継続的に滞在することができず出国を余儀なくされた人、870ビザはそういった人たちの声を受けて検討されたビザになります。
ただし、870ビザはあくまでも一時滞在を目的とするビザであるため、年間(会計年度)発給数は最大1万5,000と定められています。
870ビザには、既存の親呼び寄せビザにあるように、子どもの過半数がオーストラリア国籍、永住権、または特定のニュージーランド国籍を保持し、オーストラリアに在住しているといった「Balance of Familyテスト」が設けられていません。子ども1人が上記に該当すれば良しとされています。
同ビザの申請は、①スポンサーとなる子どもによるスポンサーシップ申請、②ビザ申請者本人となる親によるビザ申請という2段階申請から成っています。
また、ビザの基本条件に関しては以下の通りです。
- 実父母または継父母のスポンサーとなる子どもがオーストラリア国籍、永住権、または、特定のニュージーランド国籍を保持する成人(18歳以上)で、オーストラリアに最低4年在住していること。
- 実父母または継父母のスポンサーとなる子どもによるスポンサーシップの認可を得ること。
- 滞在期間中、健康保険に加入すること。
- 人物評価に問題がないこと。
- 健康に問題がないこと。
- ボランティア活動以外の就労不可。
など
ビザは、有効期間が3年もしくは5年のものの申請が可能で最大10年まで延長可能となっています。申請料はそれぞれ次の通りです。
- 3年:5,000ドル
- 5年:1万ドル
スポンサーとなる子どもについて、一定以上の収入がある証明や、ビザ取得後の滞在先や医療費負担などの義務といった条件もあります。
上記は一般的なご案内となり、詳しくは専門家に問い合わせの上、確認することをお勧めします。
清水英樹(Hideki Shimizu)
QLD州弁護士、ビザ・移民法政府公認アドバイザー(MARN9900985)。「フェニックス法律事務所」筆頭弁護士所長の他、移民ビザ専門コンサルティング会社「GOオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、各種不動産売買手続き専門法律事務所「Conveyancing Home QLD」を経営する。