シドニー日本人国際学校創立50周年
シドニー日本人国際学校(Sydney Japanese International School/SJIS)は、1969年5月15日に設立、今年で開校50周年を迎えた世界の先進国で最も歴史のあるインターナショナル・スクールだ。英語圏として唯一「日本人学級」と「国際学級」を併設する同校の50年の歩みを振り返ると共に今後の展望、そしてお祝いのメッセージや卒業生の声をお届けする。※本記事の内容は2019年4月29日時点の情報に基づいています。
学校長あいさつ
この度、私たちの学校は5月に創立50周年を迎えました。50周年を迎えるに当たり学校設立母体であるシドニー日本人会の皆様には、学校理事の就任、学校会員のサポート、ファンフェア支援委員会を通じた活動・多額の寄付、在シドニー日本国総領事館を通じた援助など、きめ細かく絶大な支援を頂いております。日本人会以外にも多くの方々のお陰で学校がこの佳き日を向かえられたことに心より感謝申し上げます。
50周年を迎えるに当たり、私たちはいろいろな取り組みを行ってきました。学校名を「シドニー日本人学校」から「シドニー日本人国際学校」に変更し、学校教育目標も新しい時代に即した新たなものに改訂致しました。私たちは過去50年を振り返りながら、次の50年に向けて新たな歩みを始めたいと思いさまざまな改革を進めています。
学校沿革誌によると昭和43年(1968年)11月にシドニー日本人会の臨時総会で学校設立の要綱が採択され「日本人学校設立準備委員会」が組織されました。翌44年5月に海外の先進国に設立された最初の全日制日本人学校として小学校1年生から6年生までの33人で、「シドニー総領事館附属日本人小学校(The Japanese Council of Sydney School)」として開校しました。当時はリンドフィールドの聖オーバン教会講堂を校舎として使用していました。
昭和45年1月にはNSW州教育省より私立学校としての認可を受け、同年4月20日に9人の中学部を開設しました。その後、学校は昭和46年10月1日にテリー・ヒルズに移転し、昭和50年には国際学級を新設し名実共にインターナショナルな学校として歩みを進めていきました。
この間、現上皇(平成の明仁天皇)である当時の皇太子ご夫妻を始めとする著名な方々が本校を訪れさまざまな催しを行いました。近年では、平成28年10月にピアニストの辻井伸行氏、平成29年2月には宇宙飛行士の野口聡一氏が本校を訪問し講演をされました。
私たちは本校で学ぶ児童、生徒が将来、世界の「架け橋」になることを目指して日々教育活動を行っています。本校で学んだことを生かし、礼儀正しく勤勉な日本人としての精神を持ちつつ、世界の人びとと対等にコミュニケーションを取り地球人として人類に貢献することを理想としています。
この雄大なオーストラリアの地で自然に囲まれのびのびと育つ子どもたち、彼らはきっと私たちの理想を実現してくれると信じています。
シドニー日本人国際学校を今後ともよろしくお願い申し上げます。
令和元年5月吉日
シドニー日本人国際学校 第18代校長・井川信也
宮入政夫GMより今後の展望
シドニー日本人国際学校はNSW州教育省より日本人学級と国際学級2つの学校免許を持つ私立学校法人です。創立40周年を迎えた2009年に学校理事会の委託を受けて学校経営を行うジェネラル・マネジャー(以下、GM)が新設されました。私は2016年4月よりGMとして本校に参りました。個人的には2人の息子が1997~2003年に国際学級に在籍しており、それぞれの学級の児童・生徒の特徴にはなじみがありましたが、十数年経過してみると時代の変化を感じます。日本人学級に永住の子弟がいたり、国際学級に駐在員の子弟がいたりとこれだけ取っても児童・生徒、そして保護者のニーズが年々変化してきたことが分かります。
児童・生徒がより安全にかつ今の時代にあった教育環境で、学習にしっかりと取り組めるよう次のようなプロジェクトをここ数年進めて参りました。こういったプロジェクトが功を奏し、お陰様で児童・生徒数は安定推移しています。
ICT授業への取り組み
- ICT授業導入に必要な光ファイバーの敷設によるインターネット回線の改善
- 各教室へのWi-Fiの敷設
- スマート・ボードの増設
- 国際学級の3年生以上は、1人1台のノート・パソコン支給によるICT授業の導入
- 日本人学級では今年度より国際学級とのプログラミング授業のミックス・レッスンを導入。日本語のプラットフォームを使用してのICT授業を導入計画中
施設
- 受付・制服ショップの改装
- 日本間移設・新装
- タックショップ移設・新装
- エアコンの全面取替
- 来校者用トイレの改装
- 低学年用遊具の全面取替
保護者向けサービス
- 新エッピング・バス・ライン導入
- 保護者向けスクール・アプリ(学校レターの発信)の導入
新規児童・生徒獲得
- 校章(スクール・ロゴ)の改定
- 学校カラーを用いた新ユニフォームの導入
- ウェブサイトの刷新
そして、今後も安全・安心な教育環境を提供しながら時代の変化に対応していける学校を目指し「2つのカリキュラム・1つの学校」を標榜できる世界で唯一の日本人学校として次の50年につなげていきたいと希望します。
今後の取り組み
- 教育目標の改訂
- 受験アドバイザーによる進路指導
- 本年より両学級でEAL/Dサポート教員(ESL)を採用
- 語学の授業の質を高め、更なるバイリンガル力の伸長
- 児童・生徒の進学や家族の意向に合わせた両学級間の転籍のしやすさ
- 特徴のあるミックス・レッスン(音楽・図工・体育・プログラミング)
ジェネラル・マネジャー・宮入政夫
シドニー日本人国際学校50年の歩み
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- ①シドニー日本人国際学校50年の歩み
- ②お祝いの言葉/日本人学級・国際学級の紹介
- ③卒業生からのメッセージ