一度は憧れるクルーズだが、いざ参加しようと考えた時、「敷居が高いのでは?」「どのくらいお金が掛かるのだろう」などといった疑問も多いだろう。昨年初めて大型客船のクルーズを経験した日豪プレス読者の新木和広さんの実体験と、その他船旅経験のある方々に船旅の実態と魅力を伺った。
大型クルーズ船経験者のプロフィル
今回、船旅体験談に協力頂いた、日豪プレスの読者への質問事項一覧
- ①クルーズ会社名
- ②クルーズ船名(船体詳細)
- ③クルーズ・ツアー名
- ④航路
- ⑤乗船期間
- ⑥基本費用
- ⑦追加費用
- ⑧キャビン・タイプ
- ⑨同行者
- ⑩クルーズに参加した回数
- ⑪初めてクルーズ船に乗った時の年齢
新木和広さん
- ① ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
- ② エクスプローラー・オブ・ザ・シーズ(就航年:2000年、乗船最大人数:3 ,114人、総トン数:13万7,308トン、全長:310メートル)
- ③ 南太平洋クルーズ
- ④ シドニー→ヌメア(ニューカレドニア)→リフー島(ロイヤルティー諸島)→ポート・ビラ(バヌアツ)→ミステリー・アイランド→イルデ・パン(ニューカレドニア)→シドニー
- ⑤ 11日間(2018年12月乗船)
- ⑥ 2,350豪ドル/人
- ⑦ 2人で約1,200豪ドル(オプショナル・ツアー、Wi-Fi代など)
- ⑧ バルコニー
- ⑨ 妻
- ⑩ 1回
- ⑪ 60代
Yさん(女性)
- ① ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
- ② ラプソディ・オブ・ザ・シーズ(就航年:19 97年、乗船最大人数: 2,416人、総トン数:7 万8,491トン、全長:279メートル)
- ③ ブラジル・クルーズ
- ④ サントス→ポルト・ベロ→イーリャ・ベーラ→ブジオス→リオ・デ・ジャネイロ→イーリャ・グランデ→サントス(全てブラジル)
- ⑤ 7日間(2015年12月乗船)
- ⑥ 約3,500豪ドル/人
- ⑦ 2人で約2,000豪ドル(オプショナル・ツアー代など)
- ⑧ バルコニー
- ⑨ 夫
- ⑩ 2回
- ⑪ 40代
Mさん(女性)
- ① カーニバル・クルーズ・ライン
- ② カーニバル・スピリット(就航年:20 01年、乗船最大人数:2,124人、総トン数:8万5,920トン、全長:292.5メートル)
- ③ 南太平洋クルーズ
- ④ シドニー→ヌメア(ニューカレドニア)→マレ島(ニューカレドニア)→イルデ・パン(ニューカレドニア)→シドニー
- ⑤ 7日間(2018年9月乗船)
- ⑥ 850 豪ドル/人
- ⑦ 2人で約900 豪ドル(オプショナル・ツアー、酒代など)
- ⑧ 内側
- ⑨ 夫
- ⑩ 1回
- ⑪ 50代
Hさん(女性)
- ① MSCクルーズ
- ② MSCオーケストラ(就航年:2006年、乗船最大人数:2,550人、総トン数:9万2,409トン、全長:293.8メートル)
- ③ エーゲ海クルーズ
- ④ ベニス(イタリア)→バリ(イタリア)→オリンピア(ギリシャ)→サントリーニ島(ギリシャ)→アテネ(ギリシャ)→コルフ島(ギリシャ)→モンテネグロ→ベニス
- ⑤ 7日間(2016年5月乗船)
- ⑥ 45万円/人(日本発着、航空券、前後泊ホテル代、添乗員など全て込みのツアー)
- ⑦ 2人で約10万円(買い物代など)
- ⑧ デラックス・バルコニー
- ⑨ 母親
- ⑩ 2回
- ⑪ 40代
Sさん(女性)
- ① 株式会社ジャパングレイス
- ② ピース・ボート、オセアニック号(就航年:1961年、乗船最大人数:1,600人、総トン数:3万9,241トン、全長:238.4メートル)
- ③ 地球1周クルーズ
- ④ 神戸→ダナン(ベトナム)→シンガポール→コーチン(インド)→サラーラ(オマーン)→ポート・サイド(エジプト)→イズミル(トルコ)→ピレウス(ギリシャ)→マルセイユ(フランス)→バルセロナ(スペイン)→カサブランカ(モロッコ)→ラスパルマス(スペイン)→ハバナ(キューバ)→モンテゴベイ(ジャマイカ)→クリストバル(パナマ)→コリント(ニカラグア)→プエトルケツァル(グアテマラ)→マンサニージョ(メキシコ)→エンセナーダ(メキシコ)→神戸
- ⑤ 88日間(2010年8月乗船)
- ⑥ 99万円/人
- ⑦ 約20万円(港使用料など)
- ⑧ 内側ツイン(他人とのシェア)
- ⑨ なし
- ⑩ 1回
- ⑪ 20代
乗船のきっかけ
なぜクルーズ船に乗ってみようと思いましたか。
新木さん:結婚40周年記念のお祝いに、今までずっと陸から眺めていた憧れの大型客船に乗ってみようと思い、夫婦でツアーに参加しました。
教えて!経験者の声
Mさん:乗船した経験のある友人に勧められたのがきっかけです。
Yさん:ブラジルに行きたいという計画が先で、その手段として個人旅行よりもクルーズでたくさんの人たちと一緒に周った方が安全だと考えたからです。
Hさん:母親への誕生日プレゼントです。
Sさん:日本で残業に追われ終電で帰っているうちに「人生とは何か」と考えるようになりました。使う暇がなく、貯まっていたお金を何か楽しいことに使いたい思いクルーズに参加しようとを思い付きました。
船室について
キャビンはどんな感じでしたか。
新木さん:今回は初めてのクルーズだったのでちょっとぜいたくをして、バルコニー付きの客室にしました。部屋は思ったよりも広く、クローゼットの収納スペースも十分でした。ベッドもホテルのようなクオリティーでした。
ハウス・キーパーのサービスはいかがでしたか。
新木さん:基本的には1日2回掃除をしてくれ、とても清潔でした。
教えて!経験者の声
Hさん:ホテルの個室とほぼ一緒です。ツイン・ベッド、ユニット・バス、バルコニーにはテーブルといすが2脚ありました。スーツケースはベッドの下の収納スペースに入りました。
Sさん:一番安い4人1部屋タイプで申し込んだのですが、たまたま空いていたようで2人1部屋のキャビンになりました。
乗船準備について
いつクルーズの参加を申し込みましたか。
新木さん:乗船の6カ月前くらいです。人気があるので早めの予約が必要です。
乗船前、クルーズにはどんなイメージがありましたか。
新木さん:お年寄りが行くものだと思っていました。実際乗ってみると意外にも半分以上が40代以下の若い人でした。
不安な点はありましたか。
新木さん:最初は船酔いが心配でしたが、クルーズを経験したことのある友人に「揺れないよ」とアドバイスをもらっていました。酔い止めの薬も持参しましたが、結局揺れを感じず使用する機会はありませんでした。
持って行けば良かった物、実際に持って行って役に立った物はありますか。
新木さん:日差しが強いのでサングラス、帽子、日焼け止めクリームなどは必須です。
教えて!経験者の声
Mさん:乗船前は、のんびりと海を見て過ごすイメージでしたが、実際は毎日アクティビティーもあり忙しく過ごしました。船酔い止めバンドと薬を持って行きましたが、全く揺れませんでした。また、船内は全てカード精算になるので、首から下げるタイプのカード入れを持って行くと便利です。
Yさん:食事やアクティビティーなど全て付いているツアーなので優雅なものというイメージがありました。持ち物ですが、フォーマル・ディナー用にきちんとした服を持って行く方が良いです。また船酔い止めに、クルーズ・ショップで売られていた酔い止めバンドを購入し着けていたら、酔いませんでした。
Hさん:「大きなホテルがそのまま船になった」という印象を持っていました。船酔いは最初心配でしたが、あまり揺れませんでした。船内のWi-Fiは申し込みませんでしたが、寄港地の無料Wi-Fiのあるカフェでお茶をしながら使っていたので、特に必要性は感じませんでした。
Sさん:クルーズに乗ったら人生観が変わりそうだと思っていました。船は揺れました! タイタニックの映画並みに。大げさではありません。揺れがひどい時はベッドに横たわっていました。酔い止め薬は船内に用意してあったので不要です。自分で洗濯をする人は、洗濯バサミや干すひもを持って行くと良いでしょう。
ファシリティーについて
何を利用しましたか。
新木さん:プールで泳いだり、ジャグジーに入ったり、プール・サイドでのんびり過ごしました。乗船前はビーチ・チェアの確保はできるのかと思いましたが、実際には客の数よりも多いのではないかと思うくらいたくさんありました。また乗船後初めての朝食を食べた後、何の運動もしないでこの調子で食事量を多く食べていると健康維持ができないと思い、ジムに通うことにしました。
追加料金はどのように清算するのでしょうか。
新木さん:クレジット・カードとリンクされているシー・パスで清算します。これ1枚あれば船内で財布や現金を持つ必要がないので、とても便利でした。また、シー・パスはパスポートの代わりとなり、これがあればパスポートなしで下船できます。緊急避難時の救命ボートの番号の記載もあるので、肌身離さず携帯していました。
教えて!経験者の声
Mさん:追加でどれくらいのお金を使ったかはクルーズ・パスを機械に通し、随時チェックができるので便利です。
Yさん:おそらくロブスターに当たり蕁麻疹が出たのですが、医療室ですぐに診療してもらえました。ドクターが常駐しているのは安心でした。
Sさん:鏡張りになっている踊り場があって、ダンスの練習をするのに利用していました。