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夢のマイホーム/CCR制度

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オーストラリアで夢のマイホーム計画

第135回 CCR制度

現在、日本から執筆をしています。オリンピックが近づいているためか、日本では食事、情報、サービス、多方面にわたり更にクオリティーが高くなっているような気がしています。日本の滞在を満喫している最中に、飛び込んできた目が覚めるようなオーストラリア金融業界のニュースをご紹介します。

オーストラリアでは、ローン審査の大切な過程として、ローン申請者がデフォルト(債務不履行)があったかどうかを金融機関が第3者機関を利用して確認していますが、9月18日付『ファイナンシャル・レビュー』紙によると、大手金融機関がローン申請者のこれまでのローン額や支払い履歴情報を開示提供できるようになると発表しています。

これまでのローンを査定する審査では、申請者のネガティブな情報のみに焦点が置かれていました。しかし今回明らかになった「コンプリヘンシブ・クレジット・リポーティング(Comprehensive Credit Reporting=CCR)」と呼ばれる制度では、今後提供されるデータには、申請者が複数持つクレジット・カードを含め、パーソナル・ローン、カー・ローン、住宅ローンなど、どれほどの負債合計があり、遅延がなかったか、支払いは早めにされているのかなど、どのような支払いパターンを普段行っているかという全体像を見ることができるようになります。

ほとんど使っていないクレジット・カードの限度額も合計負債額として算出されますので、必要のないクレジット・カードを解約させることもこの制度の狙いの1つです。

先月のコラムにも関係しますが、ロイヤル・コミッションによる金融機関への指摘の1つに、個々のケースを見ることなく、銀行がスタンダードの数字をすべての申請に適応しているという点がありました。しかしこのCCRにより、全体像が見え、ローン審査も個々のケースとして扱うことができるようになるだろうと言われています。

金融機関にとっては申請者の情報を十分に収集できるため、自信を持って審査ができるようになります。一方、申請者となる可能性のある私たちは、このCCR制度を常に意識し、支払いの期日を守り、無理のない堅実な財政状態を目指すことを期待されています。

CCR制度によって、より強い経済を築きたいという政府の思惑通りにいくのでしょうか。まずはCCRによって申請からオファー・レターまでの時間が更に伸びることがないようにと願うばかりです。


XL Group
住宅ローン・コンサルタント(MFAA正式会員)
Yon

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